保育園児の色とりどりの帽子
暑い!日傘をさして、駅までの道を歩いて行きます。
坂道を登りきったところで、大勢の保育園児の群れに出会いました。
「ほら、ここだよ、この道を通って、あーダメダメはみ出しちゃ、。」
引率の先生の声が響いています。
「ここ、ここを渡って、ここが横断歩道よ。」
田舎の一本道、横断歩道など何処にもありません。
先生が指さしている所をよ〜く見ると、かすかにアスファルトに亀裂が入っています。
保育園児達は、その微かな亀裂の上を、一列になってまるで蟻の行進の様に進んでいきます。
後ろから園児達の姿を眺めていると、赤、青、黄色、緑と色とりどりの帽子が揺れてお花畑の様に鮮やかです。
帽子の後ろには背中迄の日除けも付いています。
ヒラヒラ日除けも色とりどり。
色々な帽子を被った園児達が、決められた道を通って行くのを見ていたら、
ふと、食薬の帰経を思い出してしまいました。
帰経というのは、食薬が選択的にある臓腑・経路に入り、作用を定位することです。
色、味の帰経があります。
帰経(色)
- 青色は肝に帰経します
- 赤色は心に帰経します
- 黄色は脾に帰経します
- 白色は肺に帰経します
- 黒色は腎に帰経します
今日、何色の食材を食べましたか?
私は朝、小松菜とバナナのスムージーを飲んだので、
小松菜は肝に、バナナは脾?
ヨーグルトも食べたので、これは肺、
昼には、かぼちゃの煮物と鮭の塩焼きを食べたので、
かぼちゃは脾、鮭は?
あ、かぼちゃに黒胡麻をかけたので、黒胡麻は腎?
緑の帽子を被った小松菜が、肝に向かってズンズン歩いて行く。
白色ヨーグルトは別れて肺へ、かぼちゃは脾へ、黒胡麻はちょっと遠くの腎まで。
迷子にならずに、ちゃんとたどり着けたのでしょうか?
では、私の食べたものの帰経を辞典で確認してみましょう。
- 小松菜 肺、肝、胃、大腸
- バナナ 胃、大腸
- ヨーグルト 心、肺、胃
- かぼちゃ 脾、胃
- 鮭 脾、胃
- 黒胡麻 肝、腎
イメージしたものとは、違っているものもあります。
それに、帰経は一つではないようです。
真っ白なヨーグルトが、赤の帰経である心に入るのもちょっと不思議です。
では、味の帰経も見てみましょう。
帰経(味)
- 酸味は肝に帰経します。
- 苦味は心に帰経します。
- 甘味は脾に帰経します。
- 辛味は肺に帰経します。
- 鹹味は腎に帰経します。
今度は私の食べたものの味を辞典で調べてみます。
- 小松菜 辛、甘
- バナナ 甘
- ヨーグルト 甘
- かぼちゃ 甘
- 鮭 甘
- 黒胡麻 甘
こうやってみると、私は結構甘味を取っているのですね。ショック!
甘味が多いので、脾経に入っているものが多いのです。
(中医学上の脾というのは、現在の膵臓及びそれに関連したものを指すようです。)
それにしても、ヨーグルトの問題は解決しませんでした。
この問題は、はてな?ですね。
仙人問答
ぺ「仙人は、今日何色の食材を召し上がりましたか?」
仙人は、にっこり微笑むと両手を広げぺんたんの前に差し出した。
掌の上には五色の露が光っている。
青、赤、黄、白、黒
仙「一つ与えよう。」
そう言って、仙人は黄色の露を一つかざした。
仙「黄露1ポイントじゃ。」
ぺ「え?ポイントですか?」
仙「そうじゃ、最近は仙人界でもポイント制度を取り入れたのじゃ。」
「ワン イエロー デュー (one yellow dew)!」
仙人は黄色の露をぺんたんの唇に転がした。
ぺんたんは黄露をゴクリと飲み込んだ。