気のせい?
ぺ「ただいま〜」
cafeから戻ったぺんたんでしたが、仙人の姿はどこにもありません。
山道を戻り、あちこち探してみましたが、いつもの木の上にも、川のほとりにも、、
ぺ「仙人、どこへ出かけられたのかしら?」
いつの間にか雨も上がっていたので、仙人を探しながら奥へ奥へと山道を進んでいきます。
体の中は、さっき飲んだ玫瑰花ティでほっこり温まっています。
雨上がりの木々が美しく、小鳥のさえずりも聞こえています。
「ぺんたん」 どこからか声がしました。
振り返ってみますが、誰もいません。
しばらく道を進んでいくと、また声が聞こえました。「ぺんたん」
キョロキョロ、キョロキョロ、 やはり、誰の姿も見えません。
ぺんたんは急に怖くなってきました。さっきまでのcafeでの楽しかった時間が嘘のよう、知らない世界に一人放り出されたような、不安で、寂しくて、、。
「なんだか、怖くなってきちゃった、もう戻ろう。」
「ぺんたん」「ぺんたん」「ぺんたん」「ぺんたん」
たくさんの声がぺんたんを取り囲むように聞こえてきます。
ぺんたんの体の中から、何かが湧き上がってくるような気がします。
ぺ「何?誰?どこにいるの?出てきて、ちゃんと姿を見せて!」
すぅーっと風が吹いて、ぺんたんの肌を渡っていきます。
「ぺんたん、驚かせてごめん、僕たち4兄弟、気兄弟なんだ。」
ぺ「え?気兄弟?どこにいるの?姿を見せて!怖がらせないで。」
「ごめんよぺんたん、僕たち4兄弟は目には見えないんだ。」
ぺ「目には見えない?」
「ほら、仙人から聞いているだろう、気は目には見えないって。」
ぺんたんはハッとしました。
そうだ、yin yooゲームをしたあの時、確かに仙人はおっしゃった。目に見えないものは陽で、だから気は陽だと。
「ぺんたん、僕は元気!生命の原動力。腎ウォーターから生まれるんだ。原気、真気なんてニックネームもあるんだ。」
「僕は宗気、脾アースと肺メタルの働き、それから新鮮な空気、食べたものの営養が合わさって生まれるんだ。大気っていうニックネームもあるよ。」
「僕は営気(えいき)、食べたものの営養から生まれ、血液の一部となって、血流とともに全身に流れ、五臓六腑を営養、調和するんだ。」
「わしは衛気(えき)、営気とともに生まれるのだが、営気は陰となって体内を巡る。わしは陽となり体表をめぐって、邪気から体を守るのである。」
ぺ「驚いた、4気兄弟がいたなんて。」
「ぺんたんが玫瑰花ティを飲んで、気の巡りがとっても良くなったから、僕たち出てきたんだよ。と言っても目には見えないけどね。」
ぺ「目には見えないけれど、気兄弟はたくさんの重要な働きをしているのね。」
「そうだよ、僕たちがしっかりしていれば、ストレスにやられることもない。でも、気が弱ってくれば息切れや疲れ、めまいの症状が現れるし、気の流れが悪くなれば精神不安、うつ状態、食欲不振、お腹が張ったり生理不順になったり、あるいは気の巡りが逆になって頭痛、喘息、意識不明にだってなるんだ。それに、血液と一緒に流れたりもするわけだから、気の流れが悪くなれば血流も悪くなって、いろんな病気を引き起こすんだよ。現代人の病気はストレスからくるものが多いでしょ?だから僕たち気をもっと重要視してほしいな。」
ぺ「そういえば、テレビでもキラーストレスなんてことを言ってたわ。」
「目に見えるものや、数値ばかりにとらわれないで、もっともっと感じてほしい。この世界は様々な気で溢れているんだ。」
目には見えない気、もっと探してみよう、感じてみよう、とぺんたんは思ったのでした。
仙人問答
ぺ「仙人、いったいどちらへいらしていたんですか?」
仙「ふむ、ちょっとな、、。」
ぺ「今日、山の中で4気兄弟に会いました。と言っても姿は見えませんでしたが。」
仙「体の中にも気、自然界にも気。気が自然界を構成する最も原始的な物質であ〜る。」
ぺ「あれ?仙人、そういえば今日行ったcafeのマスター、どことなく仙人に似ていた気がします。唇の色とか、、笑った感じとか、、」
仙「な、何を言っておる、それは気のせいじゃ。」