もう一度会いたくて
ピチュピチュピチュ、、ザワザワザワ、、
ぎぃ〜 (扉を開ける音)
ぺ「こんにちはー」
マスター「いらっしゃいませ。」
ぺ「又、来ちゃいました。」
マスター「どうぞどうぞ、お名前を伺っても宜しいですか?」
ぺ「はい、あの、ぺんたんって言います。」
マスター「「ぺんたんさん、可愛らしいお名前ですね。」
ぺ「あ、ありがとうございます。」ぽっ
マスター「ぺんたんさん、今日はお休みですか?」
ぺ「ええ、このところ仙人が会合で忙しくて、今日も出かけてしまわれたので、。」
マスター「そうですか、でもいいところへいらっしゃいましたよ。」
ぺ「え?」
マスター「今日はとうもろこしがたっぷり収穫できましてね。新鮮なとうもろこしのティ、いかがですか?」
ぺ「とうもろこしティ、ですか?」
マスター「そうです。新鮮なとうもろこしでしか作れないんですよ。ヒゲと皮を使って作るんです。」
ぺ「ヒゲと皮で?」
マスター「召し上がりますか?」
ぺ「はい、是非。」
マスター「少しお時間かかりますが、宜しいですか?」
ぺ「はい、構いません。あのマスター、ご迷惑でなければ、作るところを拝見しても宜しいですか?」
マスター「はい、ではカウンターの席へどうぞ。」
ぺんたんはカウンターの席に座って、厨房の中を覗き込みました。
鍋の中には、採りたてのとうもろこしの皮と、髭が一緒に水に浸けてあります。
マスター「こうして皮を一枚ずつ剥いて、髭をとり洗って水に浸けておくのです。30分ぐらい浸けておくといいんですよ。」
ぺ「へぇー、皮とヒゲなんていつも捨てちゃう部分なのに、。」
マスター「30分浸けたら、今度は蓋をして30分煮出します。」
ぺ「本当、時間かかるんですね。」
グツグツ、グツグツ
マスター「とうもろこしのヒゲは、玉米鬚(ぎょくべいしゅ)と言って、中薬なのですよ。」
ぺ「知りませんでした。」
マスター「帰経も、肝、腎、膀胱、心、小腸、と多く、いろんなところに働きます。」
ぺ「すごいですね。」
マスター「下痢やむくみは勿論、熱邪による腫れもの、吹き出物、ニキビにも良いのですよ。」
ぺ「マスター、とてもお詳しいんですね。」
マスター「ハハ、こういうところでお店を出していると詳しくもなりますよ。自然の恵みを大切に頂かないと。」
ぺ「そうですね。仙人にも言われています。自然界との統一性とか何とか、、」
マスター「さあ出来ましたよ。お待たせ致しました。とうもろこしティです、どうぞ。」
マスターは、煮込んだとうもろこしティを濾してカップに注ぎ、カウンターテーブルに差し出しました。
ぺ「甘い、甘くて、それにとうもろこしの味がします。」
マスター「気に入っていただけましたか?」
ぺ「はい、とっても。」
幸せな午後のひとときを過ごすぺんたんでありました💕
とうもろこしティ
材料(1人分、1日分)
新鮮なとうもろこしの皮とヒゲ1本分
水4カップ
仙人問答
仙「ムシャムシャムシャ」
ぺ「仙人、何を召し上がって見えるのですか?」
仙「とうもろこしじゃよ。」
ぺ「え?とうもろこし!」
仙「甘くて美味いのう。」
ぺ「ふぅん、、今日私はとうもろこしティを飲んできたけど、そう言えば、中身のとうもろこしはどうなったんだろう?」
仙「ぺんたん、何を小さな声でブツブツ言っておるのじゃ?今日も修行に励んでおったか?」
ぺ「はい勿論!今日は自然界との統一性について学んでおりました。」へへ