戻し汁が決めて
ヒューンヒューン ヒュヒューン
仙「ぺんた〜ん、今戻ったぞ〜。」
バタバタバタ
ぺ「仙人、おかえりなさい。今日は遅かったですね、どちらへ行って見えたのですか?」
仙「ウハハハハ、イタリアじゃよ。イタリアまで行って旬のポルチーニを採ってきたのじゃ。」
ぺ「え、イタリア? 本当ですか?」
仙「これが証拠のポルチーニじゃ、ほれ。」
ぺ「仙人、確かにポルチーニですが、、フレッシュじゃなくて、乾燥してますよ。」
仙「それは仕方ないじゃろう、イタリアは遠いんじゃ、持って帰ってくる間にすっかり乾いてしまったのじゃ。」
ぺ「ほんとうですか???」 ジーッ
仙「なんじゃ、その疑いの眼差しは、、。まあ良い、とにかくこのポルチーニで秋の薬膳を作るんじゃ、皆を呼べ。」
ぺ「はぁ〜い。」
仙人の薬膳講座
仙「皆、元気であったか?明日はもう秋分じゃ。今日はこのポルチーニを使って秋の薬膳を作るとしよう。まずはポルチーニを水で戻すんじゃ。」
ぺ「はい、分量の水に浸けました。」
仙「この戻し汁が何より大事じゃ、捨ててはならんぞ。」
ぺ「はい、では次は鶏肉を一口大に切ります。」
仙「ふむ、玉ねぎは薄切りでな、パプリカは1cm角に切るんじゃ。」
ぺ「はい、切りました。」
仙「よし、では鍋を温め、バターを入れ玉ねぎが透明になるまで炒めるんじゃ。」
ぺ「はい、炒めました。」
仙「そこへ鶏肉、パプリカを入れて更に炒める、塩こしょうで味も整えてな。」
ぺ「はい、そしていよいよポルチーニを入れるんですね。」
仙「そうじゃ、ポルチーニを戻し汁ごと入れてコンソメを入れ、蓋をして暫く煮るんじゃ。」
ぺ「はい、煮えてきました。」
仙「よし、では牛乳を入れ弱火で少し煮込んで出来上がりじゃ。」
ぺ「はい、器に盛って、パセリを飾ります。」
仙「完成、 ポルチーニと鶏肉のクリーム煮 じゃ。」
ポルチーニと鶏肉のクリーム煮
材料(2人分)
乾燥ポルチーニ10g、水1カップ、鶏肉120g、玉ねぎ1/2個、パプリカ1/4
個、バター10g、牛乳1カップ、コンソメ1/2個、塩コショウ、パセリ少々
作り方
- ポルチーニは分量の水で戻しておく。
- 鶏肉は一口大、玉ねぎは薄切り、パプリカは 1cm角に切る。
- 鍋を温め、バターを入れ玉ねぎを透明になるまで炒める。
- 3に鶏肉、パプリカを入れ炒め、塩コショウする。
- 4にポルチーニを戻し汁ごと入れ、コンソメを入れ蓋をしてしばらく煮る。
- 5が煮えたら、牛乳を入れ弱火で少し煮込む。器に盛り、パセリを飾る。
鶏肉 補気類
[性味/帰経 ] 平(温)、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補中益気 脾胃虚弱、消渇(糖尿)、食欲不振、下痢
⑵補精添髄 虚弱体質、消痩、産後無乳、四肢無力
⑶降気止逆 咳、げっぷ、しゃっくり
ポルチーニ(椎茸) 補気類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補気益胃 脾胃気虚の食欲不振、胃痛、げっぷ、嘔吐
⑵托痘止血 風疹の発疹不暢、不正出血、血便、ガンの出血
玉葱 理気類
[性味/帰経 ] 温、辛、甘/脾、胃、肺、心
[働き]⑴健脾理気 食欲不振、下痢
⑵和胃消食 げっぷ、吐き気、胃もたれ
⑶発表通陽 発熱、悪寒
牛乳 滋陰類
[性味/帰経 ] 平、甘、/心、肺、胃
[働き]⑴生津潤膚 口渇、消渇、盗汗、痒み、皮膚乾燥、便秘
⑵補肺益胃 虚弱、疲れ、微熱
仙人問答
ぺ「ポルチーニの戻し汁が良い味を出しますね。」
仙「そうじゃ、戻し汁が決めてじゃな。」
ぺ「鶏肉、ポルチーニで脾胃の気を補う薬膳なんですね。」
仙「牛乳も入っておる。肺を潤し、気を補う薬膳じゃ。」
ぺ「玉ねぎやパプリカで体を温めながら、、ですね。」
仙「そうじゃ、これからは陽を補う食薬が増えてくるじゃろうのう。」
ぺ「季節の移り変わりを感じますね〜。」
仙「ふっと悲しくなったりするのも秋の特徴じゃ。」
ぺ「はい、肺の感情は悲、憂ですものね。物悲しい秋も素敵、、。」
仙「ふむ、ぺんたんには似合わんがのう。」
むッ!