イライラにも良いよ
トコトコ トコトコ
ぺ「ただいま〜」
トントン トントン
グツグツ
仙「おぉ、ぺんたん、遅かったのう。」
ぺ「仙人、何か作って見えるのですか?」
仙「ふむ、気陰を補うスープじゃ。」
ぺ「気陰?」
仙「気も補って、陰も、補う。気は陽じゃから、つまり陰陽どちらも補うバランスの良いスープじゃ。虚弱体質の人にも良いのう。」
ぺ「へぇ、、。」
仙「しらすと小松菜を使ったのでのう、カルシウムたっぷりじゃ。イライラにも良いぞ。」
ぺ「イライラ?」
仙「そうじゃ、ぺんたんはイライラ怒っておったじゃろ、?」
ぺ「そ、そんな別に怒ってませんよ。」
仙「怒ると肝に良くないぞ。肝に帰経する小松菜をた〜っぷり入れたからのう。」
ぺ(仙人、私の事、心配してくれてたんだ、、。)
仙「気の巡りを良くする陳皮も入れて脾胃にも優しいスープじゃ。」
ぺ「はい、ありがとうございます。」
仙「ほい出来上がり、小松菜としらすのスープ じゃぞ。」
ふぅふぅ
ずずずぅ
仙「どうじゃ?」
ぺ「あ、美味しい、、。塩味と陳皮の酸味と、胡麻油の風味が、すごくマッチしてます。」
仙「そうじゃろう、しらすと貝柱の塩分だけで良い出汁になっておるじゃろ。」
ぺ「はい、とっても、。」
仙「貝柱は腎陰を滋陰する大事な食薬じゃ。」
ぺ「あ、そうか、腎陰は、骨にも関係しているんですよね。カルシウムたっぷりで、腎陰を滋陰して、今日のスープは骨にもイライラにも良いスープですね。」
仙「そうじゃ、それに食薬の六味をうまく使えば、調味料を使わんでも、美味しいスープができるしのう。」
ぺ「あ、ほんと、今日のスープ、調味料ほとんど使ってない、、胡麻油ぐらいで、、。」
仙「やっと気がついたかのう。」
ぺ「なるほど、こうやって食薬の六味を活かすのですね。」
小松菜としらすのスープ
材料(2人分)
小松菜80g、しらす30g、干し貝柱6g、陳皮大さじ1/2、ごま油小さじ1/2、水2カップ
作り方
- 干し貝柱は分量の水に浸けて戻しておく。
- 小松菜は1cmに切る。
- 1を鍋に入れ火にかけ、煮たったら小松菜、しらす、陳皮を入れる。
- 一煮立ちしたら火を止め、胡麻油を入れる。
小松菜 滋陰類
[性味/帰経 ] 温、辛、甘/肺、肝、胃、大腸
[働き]⑴養陰潤燥 腸燥便秘
⑵利肺止咳 風寒の咳、肺虚の喘息、咳
しらす(イワシ) 補気類
[性味/帰経 ] 温、甘/脾
[働き]⑴補益気血 気血虚弱、息切れ、めまい、むくみ
帆立貝 滋陰類
[性味/帰経 ] 平、甘、鹹/ 脾、胃、腎
[働き]⑴滋陰補虚 陰虚のめまい、口渇、小便不利
⑵調中開胃 消化不良、食少、倦怠
橘皮(きっぴ)陳皮、橘紅(きっこう) 理気類
[性味/帰経 ] 温、辛、苦/脾、肺
[働き]⑴理気和中 脾胃気滞の腹脹満、嘔吐、食欲不振、下痢
⑵燥湿化痰 胸苦しい、咳、多痰、喘息
仙人問答
ぺ「仙人、今日のスープとっても美味しかったです、ご馳走様でした。」
仙「そうかそうか、いや、ぺんたんのご機嫌が良くなれば何よりじゃ。」
ぺ「はい、怒ると肝ウーッドが傷つくので、怒ったりしません。」
仙「そうじゃ、そうじゃ、怒ると肝ウーッドに良くないからのう、。」
ぺ「はい、私の事、気遣ってくださって仙人にも感謝です。」
仙「ふむ、ぺんたんのご機嫌が悪いと困るからのう、、。」
ぺ「え?」
仙「いや、この前の肝から入って目に通ずる穴なんじゃが、、長すぎたのでもう少し短いものに作り直してみたんじゃ。」
ぺ「・・・」
仙「明日、もう一度滑ってみてはくれんかのう?」
ぺ「・・・」
仙「大丈夫じゃ、安全に作ってあるぞ、盛り土もしっかりしてあるしのう、、。」
ぺ「・・・」