薬膳学からみた鱈と春菊の雑炊
ぺ「えーっと、営気と衛気は、食べた物の営養から生まれるから、やっぱ後天の精である脾胃が大事で、、それと、、あー、もう、、。」
ヒュヒューン
仙「まずまずの散歩日和じゃったな。」
ぺ「仙人、ちゃんと教えてくださいよ、営気と衛気の話、。」
仙「教える事などないじゃろう、営気と衛気を養う薬膳を作れば、免疫力アップに繋がるという事じゃ。」
ぺ「だから、それを具体的に、、。」
仙「気の生成に関わるのは誰じゃ?」
ぺ「えーっとまず、先天の精、腎、です。それから後天の精である脾、、。」
仙「そして自然界の空気、天陽の気とも呼ぶんじゃが、これと関わる肺じゃ。」
ぺ「肺の宗気ですね。」
仙「そうじゃ、と言うことは、、じゃ。」
ぺ「脾、肺、腎を補う薬膳、、」
仙「それが重要と言うことじゃろうな、。」
ぺ「あ、でも、仙人、脾、肺、腎って確か、老化と最も深く関わってるって、、。」
仙「老化すると言うことは臓腑の機能が低下していくという事じゃ。老化により脾、肺、腎の機能が衰え気がうまく生成されなくなる、、つまり免疫力の低下につながる、と言うことのようじゃな。」
ぺ「なるほど、、。」
鱈と春菊の雑炊(作り方は前編をご覧ください)
鱈 補気類
[性味/帰経 ] 平(温)、鹹(無毒)/ 肝、腎、脾
[働き]⑴補益気血 息切れ、疲れ、自汗、めまい、動悸、便秘
⑵活血化瘀止血 喀血、打撲、痛み、脚気
春菊 化痰類
[性味/帰経 ] 平、辛、甘/肺、胃
[働き]⑴清肺化痰 痰熱咳、黄痰
⑵疏肝和胃 食欲減少、脇肋脹痛、口臭
⑶清心通腑 煩熱不安、不眠、小便不利、便秘
舞茸(椎茸)補気類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補気益胃 脾胃気虚の食欲不振、胃痛、げっぷ、嘔吐
⑵托痘止血 風疹の発疹不暢、不正出血、血便、ガンの出血
粳米 補気類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補中益気・健脾和胃 脾気虚の疲れ、食欲不振、むくみ、下痢
⑵除煩止渇 精神不安、イライラ、口渇
柚子 理気類
[性味/帰経 ] 温、辛、苦/肺
[働き]⑴理気和中 脾胃気滞の腹脹満、嘔吐、食欲不振、下痢
⑵燥湿化痰 胸苦しい、咳、多痰、喘息
( *注 中医学での脾は西洋医学での膵臓にあたると言われています。)
仙人問答
ぺ「食薬表を見ると、確かに、脾、肺、腎に帰経していますね。」
仙「そうじゃのう。」
ぺ「薬膳として立法をたてるなら、、」
仙「健脾化痰、じゃな。脾気を補って痰をとる、この時期は老人などは痰が絡みやすい時期じゃ。暖かく軟らかいこんな雑炊は体にやさしくて良いのう。」
ぺ「季節によって出てくる色々な症状に対応できる薬膳を作れば免疫力アップに繋がる、と言うことでしょうか?」
仙「ふむ、そうかもしれんな、。」
ぺ「という事はやはり、日々の食養生が大切、という事ですね。」
仙「旬の食薬をうまく使ってな、、。」
ぺ「そうですね、旬の食薬にはその時季に必要な栄養がたくさん含まれているのですね。」
仙「ぺんたんよ、中医学における『気』はどこまでも深いものじゃ。これからも色々な場面で『気』と遭遇するであろう。」
ぺ「はい。」
仙「すべての始原である混沌としたカオスの状態から陰・陽が生じる。すべての物質及びその活動はこの陰・陽から生み出される。即ち、森羅万象を司る根本のエネルギーは、あらゆる存在の中に本質的に宿っているとされる。」
ぺ「カオスの状態から、陰・陽が、。」
仙「この、『宇宙の森羅万象を存在せしめている根元的なエネルギー』これが広い意味での『気』であるのじゃ。ウハハハハ」