健康の三宝
ぺ「え、じゃあ仙人、中医学にも神(しん)は、あるのですか?」
仙「もちろんじゃ。」
ぺ「今迄一度も聞いてないですよ。」
仙「ふむ、確かに言うておらんのう。」
ぺ「神って何ですか? 目に現れる、、ってどういう事ですか?」
仙「ううむ、そうじゃのう、、先ず『神』というのは稲妻の様子を描いた象形文字『申』から生まれた文字じゃ。」
ぺ「はい。」
仙「不思議な自然の力や、目に見えない心の働きを意味しておる。」
ぺ「はい。」
仙「中医学において、『神』は、精神的な活動・思考能力・集中力・情緒・性格などの心理活動の象徴じゃな。」
ぺ「性格も『神』に入ってるんですね。」
仙「広義での『神』は、生命現象の表現と精神活動の反応を示すんじゃ。」
ぺ「はぁ、。」
仙「狭義では、思惟・意識などの精神活動の反応を示すのじゃ。」
ぺ「ふうむむむ、、。」
仙「中医学の経典にこんな事が書かれておる。
《 自然界から酸・苦・甘・辛・鹹の五味が口から入り、胃腸に貯蔵され、五臓の気を養い、津液を生み、神が自然に生まれる》とな。」
ぺ「すごい、、薬膳そのもの、、、。」
仙「『神』は先天の本の腎精から生まれる。後天の本により滋養され、精神が安定し、精力が充実するという訳じゃ。」
ぺ「ここでもやっぱり、先天の本と後天の本なんですね。」
仙「そうじゃな、更に『神』は生命の原動力『気』とも深く関わっておる。」
ぺ「これまた、、気 ですね。」
仙「『神』は、精・気・血・津液により生成されるんじゃ。」
ぺ「やっぱり、、そうなのね、、。」
仙「精・気・血・津液が充実すれば、各臓腑の働きは順調となり、生命の象徴である『神』に元気が現れるのじゃ。」
ぺ「なるほど、、食のバランスが生命の象徴である『神』に繋がっている、、という事ですね。」
仙「ふむ、精・気・神は『健康の三宝』と言われておるぞ。」
ぺ「健康の三宝、、肉体と精神の健康には、やはり食のバランスで五臓六腑を整え、精・気・神を生み出す事、、。」
仙「そうじゃのう、そしてその『神』があるかどうかは、両目を見る事が最重要なんじゃ。」
ぺ「あ、神は目に現れる、、ですね。」
仙「ふむ、両目をしっかりと観察する。」
じっーーー
ぺ「この猫は、、目が輝いています、、、鼻は汚れてるけど、、。」
仙「それは『有神』と言って、大変良い状態じゃな。」
ぺ「よかった、、御利益ありそうだわ、この招き猫、。」
仙「神の観察から精神状態や、五臓六腑・気血陰陽の盛衰と疾病を判断するのじゃ。」
ぺ「ふぇー、目でそんなにも多くの事を、、。」
仙「五行レンジャー達も皆それぞれの神を持っておるのじゃぞ。」
ぺ「え、五行レンジャーにも神が、?」
仙「五行レンジャーの神は、こうじゃ。」
【五臓の神】
- 肝 ー 魂(コン)
- 心 ー 神(シン)
- 脾 ー 意(イ)(思考する)
- 肺 ー 魄(ハク)
- 腎 ー 志(シ)(物事を成し遂げる)
仙「魂と魄で魂魄(こんぱく)とも言うのう。」
ぺ「魂魄?どこかで聞いた事があるような、、あ、そうだ!『魂魄この世にとどまりて〜〜〜』、だ。」
仙「ウハハハハ、そう言えば怪談話に出てくるのう、。」
ぺ「肝と肺の神様なのね。」
仙「一般的には『魂』は精神を支える陽の気、『魄』は肉体を支える陰の気、とも言われておるが、中医学では、肝と肺の神なんじゃ。」
仙人問答
仙「食薬表の効能に、『安神』と書かれている事があるのじゃろう?」
ぺ「はい、時々、見かけます。」
仙「それは、精神、情緒を安定させる治療、と言う事なんじゃ。」
ぺ「それで、安心ではなく安神なんですね。」
仙「精神不安・緊張・不眠・心悸・多夢の治療に使う食薬という事じゃ。」
ぺ「安神は精神の治療に、。」
仙「五臓の心に働きかけるときは『養心(ようしん)』などの表現じゃな。まあしかし、神は心の神様じゃ、両方を一緒に治療する立法が多いのう。『養心安神』『養血安神』などじゃな。」
ぺ「なるほど、、どんな食薬があるのかもう1度よ〜〜く食薬表をみて勉強しておきます!」
仙「ふむ、そうじゃのう。」
ぺ「ところで仙人、アマノクダリノミコトの目に神は?」
仙「言うまでもないじゃろう、ポストが映っておったわ。有神ならぬ、郵神じゃ。ウハハハハ〜〜」