春に向けて、肝腎を養う
シュパーーン
仙「ウホッ、、大漁大漁、、。」
ヒュヒューン
仙「ぺんたんよ、、ぺんたん、、」
バタバタバタ
ぺ「はーい、あ、仙人、お帰りなさい。」
ドボドバ
仙「今日はイカが大漁じゃ。」
ぺ「うわっ、、タリがヨル、、。」
仙「?タリがヨル?? 何だそれは?」
ぺ「ハングルです。タリは藤原鎌足のタリで足という意味、、ヨルはひとつふたつと数えてトオ、つまり10個、、。タリがヨルとは、足が10本という意味です。ウフフ、ピョンチャン仕様、ハングルで、、。」
仙「ふむ、では、そのタリがヨルのイカで、春に向けた肝腎滋養の薬膳じゃ。」
ぺ「はい‼︎」
仙「肝腎薬膳では、腎精を養うスーパーイカ飯を作ったが、今日も肝腎の血陰を補う為に、滋陰類の枸杞子、松の実と合わせた薬膳じゃ。」
ぺ「はい。」
シュッシュッ
スルスルメー
サササッ
トントン
トントン
くるくる
仙「ようし完成、イカと枸杞子の酢味噌和え じゃ。」
ぺ「わ、美味しそう、、。いっただきまーす。」
パクッ
ぺ「んーー、美味しい、、イカが柔らか〜い。」
パクッ
仙「うむ、酢味噌の味が良く絡んで、、枸杞子の甘みと松の実の歯応えも良いのう。」
パクパク
ぺ「これで、肝腎に良い薬膳だなんて、、嬉しい限り、、。」
仙「酸味は肝に帰経する。酢を入れることで食薬がより肝に作用しやすくなるのじゃ。」
ぺ「なるほど、引経の術!ですね」
パクパク
仙「ぺんたんよ、決してこれは酒の肴にしてはならぬぞ。肺を潤し滋養する枸杞子と松の実も入った肝血虚・肝腎陰虚に良い薬膳じゃからな。」
ぺ「ん?仙人、自分に言い聞かせてる?」
イカと枸杞子の酢味噌和え
材料(2人分)
イカ200g、枸杞子5g、松の実5g、ネギ少々、塩
酢味噌: 麹味噌大さじ1、みりん大さじ1、米酢小さじ1
作り方
- 枸杞子は分量の酢で戻す。
- イカはワタを取り、皮をむいてさっと塩茹でする。
- ネギは薄切りに、松の実はから炒りする。
- 茹であがったイカを輪切りにし、足は食べ易い長さに切る。
- 酢味噌の調味料を混ぜ、イカ、松の実を入れて和える。
- 器に盛り、ネギを添える。
烏賊(イカ) 養血類
[性味/帰経 ] 平、鹹/肝、腎
[働き]⑴養血滋陰 貧血、血虚閉経、出血、帯下
枸杞子 滋陰類
[性味/帰経 ] 平、甘/肝、腎、肺
[働き]⑴滋補肝腎 足腰疼痛無力、遺精、めまい、頭のふらつき
⑵益精明目 白髪、視力減退、眼精疲労、風に当たると涙が出る
⑶潤肺止咳 肺腎陰虚の慢性咳、喘息
松の実 滋陰類
[性味/帰経 ] 温、甘/肝、肺、大腸
[働き]⑴養陰平肝 めまい、かゆみ
⑵潤肺止咳 肺燥の咳、皮膚乾燥
仙人問答
仙「肝陰、腎陰を補うことがどれほど大切か、という事は、肝腎3部作の時に話してあるのう。」
ぺ「はい、肝腎を養う事で、心の安定に繋がるんですよね。」
仙「そうじゃ。腎精不足や腎陰虚になれば、肝の陽気を抑えることが出来ず、肝陽が燃え上がり、その火は心の火へと移っていく。」
ぺ「はい、心ファイヤーが燃え広がっちゃうんですよね。そして、めまいや不眠へと繋がる。」
仙「そうじゃ、しかし、一口にめまいといっても色々あるぞ。高血圧や低血圧・貧血・神経症・メニエール病などもこの肝腎陰虚による場合がある。」
ぺ「そうなんだ、、怖そうな病気ばっかり、、。」
仙「陰虚が酷くなると、陰虚で抑えられなくなった肝陽が上り頭痛が起きたり、怒りっぽくなったり、目が真っ赤になったり、更には肝陽が心火に燃え広がり、心神を犯し、てんかんを発症する場合もあるのじゃ。」
ぺ「うわっ、、大変、」
仙「そう言う訳じゃから、肝陰・肝血・腎陰を補う事が重要なのじゃ。」
ぺ「はい。冬は腎、春は肝の季節。冬から春へのこの時期は肝腎を養う!」
仙「ふむ、肝血を補い、腎陰を補陰して、貧血・眼精疲労も改善じゃ。」
ぺ「はい!」
仙「ところでぺんたんよ、タリがヨルのイカはハングルで何というのじゃ?」
ぺ「イカですか? イカはハングルで『オージンオ』です。」
仙「ウハハハハ、ハングルお見事、イカの働きは、『おー!腎を!』。」
* 肝腎3部作「イカ飯」「牡蠣スープ」「黒胡麻茶」はこちらから
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