美味しい豚とろろバーグを食べながら
トコトコ
トコトコ
ぺ「ただいま、、。」
仙「おぉぺんたんよ、何処かへ出かけておったのか?」
ぺ「はい、仙人おススメのあきっとさん(id:akittojuui )の所ですよ。」
仙「良し良し、中医学の勉強をしてきた訳じゃな、では、これでも食べながら話を聞くとするかのう。」
ぺ「これ?」
仙「ウハハハハ〜丁度今、おいし〜〜胃、仙人特製の薬膳が出来上がったところじゃ。」
ぺ「え、特製、、」ごくん
仙「これじゃ、脾胃の気を養う 豚とろろバーグ 。」
ぺ「うわっ、何これ、めちゃ美味しそう、、。」
仙「豚コマ肉と長芋で作ったのじゃ、食べてみよ。」
ぺ「はい、いっただきまーす。」
パク
ぺ「わ、美味しい、、」
パクパク
ぺ「豚コマとは思えない、、なんかあっさりしてて鶏肉みたいで、、食べ易い。」
パクパク
パクパク
仙「ウハハハハ〜、この前のお返しじゃ。『長芋とスナップエンドウのハーブオイル和え』、美味かったぞ。」
ぺ「あ、やっぱり仙人が食べちゃったんですね。」
仙「このところ、気温も安定せんからのう、今日は気陰両方を使った薬膳で、脾胃を養う薬膳にしたのじゃ。」
ぺ「なるほど、『気』ばかりを補っていては陰陽のバランスが崩れますもんね。」
仙「そうじゃ、『気』が重くなる。」
ぺ「気を補う長芋と、陰を養う豚肉、そして巡らせる玉ねぎ、、ふふ、これ美味しい、、。」
パクパク
パクパク
完食!
豚とろろバーグ
材料(2人分)
豚コマ肉160g、長芋80g、玉ねぎ80g、塩麹、胡椒、片栗粉小さじ1、
オリーブオイル
(レタス、トマト等適宜)
ソース: 枸杞子ぽん酢大さじ1.5、水大さじ1.5、みりん小さじ1、片栗粉小さじ1/2
作り方
- 豚コマ肉は1㎝幅に切って塩麹をしておく。
- 玉ねぎ、長芋はみじん切りにする。
- ボウルに1と2を入れてこねる。
- 胡椒をし、粘ってきたら片栗粉を入れてこね、4等分して丸め、形を整える。
- フライパンにオリーブ油を入れて火にかけ、温まったら4を入れて焼く。
- 片面が焼けたら裏返し、蓋をして蒸し焼きにする。
- 小鍋に枸杞子ぽん酢、水、みりん、片栗粉を入れて火にかけ、とろみが出るまで混ぜる。
- お皿にレタス、トマトを盛り、6をのせ、7をかける。
*「枸杞子ぽん酢」はこちら
豚肉 滋陰類
[性味/帰経 ] 平、甘、鹹/ 脾、胃、腎
[働き]⑴滋陰潤燥、益脾補腎、長筋肉、生津液、潤皮膚
山薬(山芋、長芋、自然薯) 補気類
[性味/帰経 ] 平、甘/脾、肺、腎
[働き]⑴健脾止瀉 脾気弱の食少、腹脹、泥状便
⑵養肺止咳 肺陰虚の慢性咳、喘息
玉葱 理気類
[性味/帰経 ] 温、辛、甘/脾、胃、肺、心
[働き]⑴健脾理気 食欲不振、下痢
⑵和胃消食 げっぷ、吐き気、胃もたれ
⑶発表通陽 発熱、悪寒
仙人問答
仙「それで、どうじゃ、ぺんたんよ、あきっとさんの所へ行って、脾胃を労わる事の大切さが分かったじゃろ?」
ぺ「いえ、分かりかねます、、、。」
仙「なんじゃ?」
ぺ「あ、、ハハハ、いえ、ちょっとこの言葉使ってみたくて、、。」
仙「何を言うておる?」
ぺ「へへへ、、えっと、あきっとさんは甘い物や炭水化物が大好きで、それで中医学では甘味の物を食べ過ぎると脾胃に負担がかかり、脾気が上手く働かなくて、、それで、、。」
仙「ふむ、『甘味』は脾に帰経して疲れを取り、脾胃を調和し虚弱を改善し、痛みを和らげる。しかし、取り過ぎれば湿を生み、湿の嫌いな脾を傷つける。」
ぺ「はい、。」
仙「しかし甘味だけのせいではないぞ、七情の「思」も脾を傷つける。」
ぺ「そっか、、あきっとさんは獣医さんで、治療してみえるペットちゃん達のこと、あれこれと心配が絶えなかった、。」
仙「お優しいお方じゃ、その上、働き過ぎで疲労も激しく、、。」
ぺ「時間も不規則、食生活も乱れて脾胃に負担がかかり、。」
仙「中医学でいうところの脾、脾アースはな、胃と一緒に消化機能全般を担っておる。」
ぺ「はい、。」
仙「食べた物を栄養に変える、これは脾の大事な働きじゃ。」
ぺ「はい、、。」
仙「そして、脾は食べた物を栄養に変えるだけではなく、その栄養を各臓腑や筋肉、四肢全てに運んでおるのじゃ。」
ぺ「おぉ、、すごい脾アース、。」
仙「食べた物を栄養に変える事を『化』、そしてその栄養を運ぶ事を『運』、このふたつを合わせて『脾の運化』の働きと言うのじゃ。」
ぺ「『脾の運化の働き』、、。すっごく大事な役どころですね、、脾アース、。」
仙「『気の四兄弟』の話を覚えておるかのう、」
ぺ「はい、えーっと、元気、宗気、営気、衛気(えき)、でしたよね。」
仙「そうじゃ、脾が栄養、つまり中医学でいう所の『水穀精微』を上昇させ、それと肺が吸い込んだ新鮮な空気が交わって宗気が生まれる。」
ぺ「栄養と新鮮な空気から宗気は生まれる、。」
仙「一方、脾が吸収した栄養の一部は営気と化し陰となり、血と一緒に営血となって体内を巡る。そしてまた一部は衛気と化し陽となり、体表を巡って外邪から身を守る。」
ぺ「う〜ん、2人ともカッコいい♡」
仙「だから、脾が虚して食べ物を栄養に『化』する事が出来なくなれば、営血が作れず、また衛気も衰え、。」
ぺ「衰え、、」
仙「『気生血』気が血を生む、、」
ぺ「そっか、脾気が弱ると血を生み出せない、。」
仙「血虚となりめまいやふらつき、また体表を守る衛気の汗腺を開閉する機能が働かずやたらと汗をかいたり、、と言った症状が出るのじゃ。」
ぺ「あ、確かに、あきっとさんにはそんな症状が出てました。」
仙「更に、汗は心の液体、舌は心の竅。」
ぺ「そうだ、ろれつが回らないと言った症状も、、」
仙「心血虚となり脳を滋養することも出来ず、、また、神志を養えず精神不安や不眠にも陥る。」
ぺ「なるほど、、それで物忘れの症状も、。『神』は心の神様でしたよね、、。」
仙「ふむ、気血両虚となり清陽が頭に昇らなくなるのじゃ。」
ぺ「清陽、、、」
仙「『全ての血は心に属する。』。」
ぺ「あ、それ知ってます。『龍眼肉酒』を作った時にマスターから教えて頂いて、、
『全ての血は心に属する。人が夜寝ている時、血は肝に帰る。肝に血が帰ることによって目を養い、ものが良く見えるようになる。足は血によって滋養され歩くことができるようになり、掌は血の滋養によって握ることが出来、指は血の滋養によって物を掴むことができるようになる。』」
仙「血虚となった上に脾の『運』の働きが鈍って体の隅々に栄養が行き渡らず、、。」
ぺ「なるほど、それで、手が震えたり、。」
仙「脾気虚が心血虚を生む、そして心の血が足りなくなれば、、。」
ぺ「あ、血を貯蔵している肝に影響が、。」
仙「そうじゃ、肝血虚へと繋がっていく。」
ぺ「それで肝の竅である『目』にも異常が現れる、。」
仙「あきっとさんは仕事が忙し過ぎて夜遅くまで起きている事が多かった。」
ぺ「はい、、確かにそう書いてありました。」
仙「全ての血が『肝』に帰る時刻に寝ておらぬ。この時間に寝ておらぬと血が肝に帰る事が出来ず、新鮮な血が生み出されず、こんな生活を長く続ければ当然様々な病を引き起こす原因となるのじゃ。」
ぺ「そうなんだ、、じゃ、やっぱり夜は寝ないと、、。」
仙「肝胆系の病気、目のトラブルや貧血と言った症状がある人は23時を過ぎたら寝るべし!じゃ。」
ぺ「あ、『誰も起きてはならぬ』ですねー。」
仙「そしてこのまま放置して血虚が酷くなってくれば、『津血同源』じゃから当然津液も不足し、、陰虚となっていく。」
ぺ「そう言えば、仙人から『陰虚体質』のお話を伺った時、『陰虚証の人は殆ど気虚・血虚の場合が多い』って、、なるほど、こう言う事だったのですね。」
仙「『脾アース』は『心ファイヤー』の子供、『心ファイヤー』は『脾アース』の母じゃ。子供が弱ってしまって母も弱る。これを『子病及母(しびょうきゅうぼ)』と言う、『相生』の逆の関係じゃ。」
ぺ「子である脾アースが弱って、その母である心ファイヤーも弱ってしまった。それであきっとさんは『心脾両虚証』に、。」
仙「どうじゃ、脾気虚から始まる数々の悲劇、、、。これで分かったかのう。」
ぺ「はい!」
仙「しかしなぺんたん、これはまだほんの一部じゃ。今回はあくまでも『あきっとさんの症状』に合わせて弁証してみたのみ。脾にはまだまだほかの役割もあるしな、それに脾気虚から肺に及ぶ場合、腎に及ぶ場合、気滞になる場合、、、、、」
ぺ「えー〜っ、そ、そんなに、、。」タラッ
仙「そういう訳じゃから後天の本『脾アースはいっつも大事』なんじゃ。」
ぺ「はい、『脾アース』の大切さ、『気』の重要さ、よ~~くわかりました。」
仙「ふむ、『病は気から』じゃ。養生せいよ。」
ぺ「はい ‼️」
ぺ「あきっとさん、未熟ではありますが、色々と勉強させていただきました。ありがとうございました。」
( ´ ▽ ` )v
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