さっぱり味で熱を取る
ザザッ
ザザザッ
仙「ぺんたんよ、青シソが良く育っておる。これを使って夏の薬膳じゃ。皆を呼べ。」
ぺ「は~い。」
仙人の薬膳講座
ざわざわ
ガヤガヤ
仙「皆、久しぶりじゃ。暑くなって来たのでのう、さっぱり爽やか夏の薬膳を作るとしよう。」
皆「はーーい。」
わいわい
ウキウキ
仙「青シソが良く育っておるので、これを使うのじゃ。」
皆「は~~い。」
仙「それに豆腐、トマト、梅干し、白ゴマで、な。」
講習生「さっぱりして美味しそう。」
うず玉「今日は簡単そうなので、私も参加させて頂きます。」
ぺ「では先ず、豆腐の水切りをします。」
仙「ふむふむ、レンジで簡単にな、。」
ぺ「はい。豆腐にキッチンペーパーを厚めにぐるぐるっと巻いて、レンジに1分半ほどかけます。」
仙「キッチンペーパーをキチンと巻くのじゃ。」
ピロリロリーン ♪
ぺ「取り出して、キッチンペーパーを取り替えて巻き直し、軽く重しをしておきましょう。」
くるくる
ぽん
仙「梅干しは種を取ってペースト状にな。」
ぺ「その梅ペーストとみじん切りにした青シソを混ぜます。」
トントン
混ぜ混ぜ
仙「あとは、簡単じゃ。」
ぺ「はい、豆腐もトマトも1㎝の角切りにします。」
トントン
トトン トン
仙「この豆腐とトマトを梅シソペーストと和えるのじゃ。」
くるくる
くるくる
ぺ「はい、仕上げに白ごまをふって出来上がり。」
仙「 夏の薬膳、豆腐とトマトの梅シソ和え、vegetarian もokのside menuじゃ。」
皆「まあ、さっぱりして美味しそう。」
ぺ「さ、皆さん、召し上がって下さい。」
皆「はーい、頂きまーす。」
パク
パクパク
皆「梅の味が効いてるわ。」
皆「豆腐やトマトと良く絡んで、、すごくさっぱり、美味しい。」
うず玉「食べていると涼しくなってきますな。」
皆「ほんと、確かに暑さが和らぐわね。」
ガヤガヤ
パクパク
豆腐とトマトの梅しそ和え
立法:【 清熱生津 】
材料(2人分)
豆腐1/2丁、トマト1個、
梅干し1~2個(塩分によって加減する)、紫蘇6枚、
白胡麻小さじ1/2
作り方
- 豆腐は水切りをしておく。
- 梅干しは種を取り、果肉を叩いてペースト状にする。
- しそをみじん切りにして2と和える。
- 豆腐、トマトは1㎝の角切りにし、3と和える。
- 器に大葉を敷き、4をのせ、白胡麻をかける。
豆腐 清熱瀉火類(せいねつしゃかるい)
[性味/帰経 ] 寒、甘/ 脾、胃、大腸
[働き]⑴益気和中 肺熱の咳、喘息、食欲不振
⑵生津潤燥 消渇、便秘
⑶清熱解毒 水腫、麻疹、皮疹、吐血
トマト 清熱瀉火類
[性味/帰経 ] 微寒、甘/ 肝、脾、胃
[働き]⑴生津止渇 熱病による煩渇
⑵健胃消食 食欲不振、消化不良
紫蘇 辛温解表類
[性味/帰経 ] 温、辛/肺、脾
[働き]⑴発表散寒 風寒表証の発汗、解熱、咳
⑵行気寛中 脾胃気滞の胸悶、嘔吐
⑶解魚蟹毒 蟹、海老、魚介類の中毒
烏梅(梅) 収渋類
[性味/帰経 ] 平、酸/肝、脾、肺、大腸
[働き]⑴斂肺止咳 肺虚の慢性咳、喘息
⑵渋腸止瀉 慢性の下痢
⑶生津止渇 虚熱の消渇
⑷安蛔止痛 回虫による腹痛、嘔吐
白胡麻 滋陰類
[性味/帰経 ] 寒、甘/肺、脾、大腸
[働き]⑴清熱滑腸 皮膚の乾燥、筋肉の無力、痰、赤み、便秘
⑵行気通脈 頭痛、めまい、頭部瘡瘍
仙人問答
仙「皆、この春からこの講座に参加してくれている方もおられるのでな、今日はちょっと夏の薬膳の解説をな。」
皆「はい。」
ウキウキ
ニコニコ
仙「夏は、、暑い!」
ぺ「仙人、、真面目に、。」
仙「ふむ、真面目じゃ。夏は暑く、汗をかく。」
皆 「はい、確かに。」
仙「『汗は心(しん)の液体』。夏は『心』の活動が活発になる季節じゃ。」
メモメモ
サラサラ
仙「汗をかくと、当然、体内の水分が減って行く。」
皆「はい、。」
仙「そこで水分を補う事が大切じゃ。」
皆「はい、。」
仙「今日、皆が使った食薬、豆腐、トマトは『清熱瀉火類』と言ってな、体内の余分な熱をとり、津液(しんえき)を生み出す食薬なのじゃ。」
ぺ「あの、皆さん、津液、、お分りですか?」
皆「はい、あの、、体に必要な水分、、でしょうか。」
仙「その通り。汗をかいて奪われた水分を、熱を取りながら補充するのじゃ。つまり、熱を清め、津液を生む。」
ぺ「これが『清熱生津』です。」
皆「へぇ~。」
仙「その清熱生津のトマトと豆腐に、梅干しと大葉を足してみた。何故じゃ?」
皆「え、それは、、えーっと、、、。」
仙「そこに大葉があるから、、じゃ。」
皆「え?」
ゴホン
ぺ「豆腐とトマトが寒性で体を冷やすから、、です。」
仙「そうじゃな、清熱類の食薬は熱を清める為、寒性や涼性のものが多いのじゃ。それで、体を冷やし過ぎぬよう温性の大葉を少々入れる。」
皆「なるほど、、。」
仙「又、大葉は芳香性もあり湿を取る作用もあるのでな、一緒に使うと効果的じゃ。冷え性の人は特にこういう注意が大切じゃな。」
ぺ「お刺身などを頂く時にも一緒に食べて下さいね、解毒作用がありますから。」
皆「はーい。」
仙「そして、梅干し、これは何故じゃ?」
皆「そこに梅干しがあるから、、。」
クスクス
仙「そうじゃ、。」
ぺ「いえ、梅は収渋類、収斂作用があるので、汗をかいて開きっぱなしになる汗腺を引き締めるんです。」
皆「へぇ、。」
仙「収渋類の収斂作用は汗だけでなく、下痢や咳にも良い。それに収渋類、そして酸味は津液を生む『生津』作用もあるのでな、夏には欠かせない食薬なんじゃ。」
皆「夏は酸味が重要、。」
ぺ「汗を引き締め、津液を生む酸味、夏バテにもやはり梅サワーや紫蘇サワーが良いですねー、皆さん、作られましたか。」
皆「はーい、黒糖梅サワー、今漬けてありまーす。」
皆「紫蘇サワーも出来上がりましたー。」
キレイー
キャッキャッ
ペチャクチャ
仙「良し良し、、こうして、熱を取り、汗をかいて奪われた水分を補充し、汗腺を引き締める事で、活動が盛んになる『心』を支えるのじゃ。」
皆「はーい、。」
仙「夏向きの食薬も以前書き出したものがあるのでな、又見ておくと良いぞ。」
ぺ「初めての皆さんは食薬の分類や、酸味の効能のお話も見ておいて下さいね。」
皆「はーい、、。」
仙「今日の薬膳は、普段当たり前に使っている食材ばかりじゃが、こういった効能を把握して作ると、益々薬膳が楽しくなるぞ。」
皆「はーい、とっても美味しかったでーす。」
*「夏におススメの食薬」はこちら
*「食薬の分類」はこちら
*「六味の効能のお話」はこちら