ノカンゾウってなあに?
うきうき
ぺ「わぁ~~、久しぶりの里、、。」
トコトコ
トコトコ
ぺ「ん?」
ジッ
キョロキョロ
ぺ「なんか、、賽銭箱が異常に増えてる気がする、、。」
トコトコ
ぺ「あ、ほら、やっぱり、、またここにも、、もうっ!仙人は、、。」
タタタタターッ
ぺ「ハァハァ、、せ、、仙人、、。」
仙「おぉ、ぺんたんか、、久しぶりじゃのう。」
ぺ「あ、はい、、ただいま、、っていうか、、仙人、何ですか!仙人社が賽銭箱だらけになってるじゃないですか❗️」
ガサゴソ
ガサゴソ
仙「ほぉほぉ、、そんな事より、ぺんたん、これじゃ。」
バサッ
ぺ「?何ですか、この葉っぱ、、。」
仙「野萱草じゃ。」
ぺ「ノカンゾウ⁇ 」
仙「百合科の植物じゃ。本カンゾウの蕾を乾燥させた物が『金針菜(きんしんさい)』と言う中薬じゃ。」
ぺ「金針菜?金針菜なら知ってますよ。以前、薬膳作ったし。」
仙「そうじゃったのう、、。これは乾燥品ではなく、若葉じゃよ。」
ぺ「へぇ、、初めて見る、、。」
仙「酢味噌和えにすると美味いのじゃ。」
ぺ「酢味噌和え、、。」ゴクリ
フツフツ
サッ
トントン
くるくる
仙「よし、完成じゃ。ノカンゾウの酢味噌和え。」
ぺ「美味しそう、。」
仙「食べて良いぞ。」
ぺ「はい、頂きまーーーす。」
パク
ぺ「あ、甘い、。」
パクパク
ぺ「わっ、、歯ごたえもある、、。美味しい、、仙人、これとっても美味しいです!」
パクパク
パクパク
仙「ウハハハハ~、ノカンゾウにほんのり優しい甘みがあるからのう、あまり余分なものは入れず、酢味噌と少量の陳皮を入れただけじゃ。」
ぺ「はい、充分美味しいです。」
仙「ノカンゾウは、肝や胃に作用する。むくみにも良いし、春先のイライラや目赤にも良いぞ。」
ぺ「はい、青い色は肝に帰経する、、でしたね。」
仙「そうじゃ、解毒作用もあり、巡りを良くするのでな、母乳の分泌も良くなるんじゃ。」
ぺ「ふぅん、、母乳の、、。」
パクパク
パクパク
ノカンゾウの酢味噌和え
【 立法: 清熱利湿解毒 】
材料(2人分)
ノカンゾウ120g、塩ひとつまみ、
味噌大さじ1/2、みりん大さじ1、酢小さじ3/4、陳皮少々
作り方
- ノカンゾウは洗って、ひと塩でさっと茹で、冷水にとる。
- 水気を切って、3㎝ほどに切る。
- 味噌、みりん、酢を合わせる。
- 3に陳皮を入れ、2と混ぜ合わせ、器に盛る。
ノカンゾウ(野萱草)(金針菜=本カンゾウの蕾の乾燥品) 利水滲湿類
[性味/帰経 ] 涼、甘/ 肝、胃
[働き]⑴清熱利湿 むくみ、黄疸、発熱、不眠
⑵涼血解毒 目赤、めまい、口苦、イライラ、歯痛
⑶安中和胃 吐き気
⑷解郁通乳 母乳分泌不全
橘皮(きっぴ)陳皮、橘紅(きっこう) 理気類
[性味/帰経 ] 温、辛、苦/脾、肺
⑵燥湿化痰 胸苦しい、咳、多痰、喘息
*「牛肉と金針菜の炒め物」はこちら
仙人問答
ぺ「あーー、美味しかったぁ。やっぱり仙人の作る薬膳は美味しい♡」
仙「ムハハハハ~、季節が変わっても、元号が変わっても、、わしの作る薬膳は美味いのじゃ。」
ぺ「元号?あ、、『令和』ですね。」
仙「そうじゃ。」
ぺ「それなんですけどね、仙人、、実は私、先生からこんなメッセージを頂いたんです。」
《 『黄帝内経』「霊枢・終始」:“ 陽受気于四末, 陰受気于五蔵, 故瀉者迎之,補者随之,知迎知随,気可令和。” 》
仙「ウホッ。」
ぺ「『令和は、万葉集から引用されたそうですが、黄帝内経(こうていだいけい)にもありますよ。』と教えてくださりました。」
仙「良い先生じゃのう。『黄帝内経』、『未病』という言葉を初めて登場させた書物、中医学・鍼灸を志す者にとってはバイブルのような医学書じゃ。」
ぺ「はい、私も『黄帝内経』の『素問』は日本語訳のをちょっとずつ読んでるんですけど、、『霊枢』は、、。」
仙「『霊枢』は鍼灸の事を書いたものじゃからのう。 陽は気を四肢末端から受け、陰は気を五臓から受ける。故に瀉する者はこれを迎え、補する者はこれに随う。迎と随を知れば、気の流れを整えることが出来る、、という事じゃな。」
ぺ「ふむむむ、、瀉するもの、補するもの、、。確か、、方剤を作る時に治療八法と言うのがあって、、『消法』とか『補法』とか、、ありましたよね⁈」
仙「おぉ、良く覚えておったな。方剤、、日本流に言えば漢方薬じゃ。」
ぺ「はい、その方剤を使った治療八法と同じ様に、鍼の刺し方にも技があるんですね。」
仙「ふむ、正気を強くする為の『随』の鍼、邪気を取り除く為の『迎』の鍼。扶正と去邪で、気の流れを整え、調和を生み出す。」
ぺ「正気に随って打つ鍼、邪気に迎って打つ鍼、これで気の流れを整え、調和させる・・・ 気可令和。」
仙「ぺんたんよ、陰陽のバランスを整えて、調和のとれた時代になるとよいのう。」
ペ「はい、仙人。」
*「未病」のお話はこちら