柚子でも陳皮でも
ササッ
ガサガサ
ピカーン
ぺ「うふふ、、新品、。」
ヒュヒューン
仙「ぺんたんよ、何をニヤニヤしておるのじゃ。」
ぺ「仙人、へへ、これ見てくださいよ。」
ぽん
仙「これは、、何じゃ?」
ぺ「フードプロセッサーです。」
仙「ほぉ、、フードプロセッサー、、買ったのかな?」
ぺ「いえ、貰ったんです。」
仙「そうか、どなたから頂いたのかな?」
ぺ「うふふ、、それが、仕事場の電動コーヒーミルが壊れたので新しいのを買ったんですが、レビュー書いたらこのフードプロセッサーが貰えちゃって、、。」
仙「それは素晴らしい!」
ぺ「で、早速使ってみたいんですけど、、。」
仙「よし、良いものがあるぞ。」
パパッ
ぺ「わ、、これは、、。」
仙「干しておいた赤紫蘇の葉に山椒の葉、柚子皮、今年採れた唐辛子、それにアオサ、黒ごま、松の実じゃ。」
ぺ「はいはい、、今年も唐辛子🌶ピリピリッと出来上がりましたね。」
仙「これらを使って、、。」
ぺ「え、これで?」
仙「七味じゃよぺんたん、薬膳七味じゃ。」
ぺ「あ、そうか、これをフードプロセッサーにかけて、、。」
仙「そうじゃ。」
ぺ「はい、では早速、、スイッチon!」
ウィーン
ウィウィーン
ぺ「出来ました、薬膳柚子七味 。」
ぽん
ぺ「う〜ん、柚子皮があまり細かくなってませんよ。」
仙「ふむ、陳皮で作れば綺麗に出来るのじゃが、、まぁ良しとしよう。」
ぺ「はい、。」
仙「さて、味見じゃ。湯豆腐にでもかけてみるか、。」
パラ
パラパラッ
仙「おぉ、柚子の良い香りじゃ。」
ぺ「はい、アオサも香ってます。」
仙「そしてピリッと唐辛子も効いておる。」
ぺ「新鮮七味って、こんなに美味しい、。」
仙「松の実も入れたので、しっとり感もあるある〜。」
ぺ「鍋もの、うどん、おでんにも、、食欲を誘っちゃいます。」
パッパ
パラパラ
【 薬膳柚子七味 】
《 立法: 温陽行気 》
材料 (全て乾燥させたもの)
- 紫蘇1g
- 柚子皮5g(又は陳皮)
- あおさ3g
- 山椒葉1g
- 松の実5g
- 黒ごま5g
- 唐辛子2本
作り方
- 唐辛子のタネを取り、材料を全てフードプロセッサーにかける。
- 密閉容器に入れて冷蔵庫で保存。
柚子 理気類
[性味/帰経 ] 温、辛、苦/肺
[働き]⑴理気和中 脾胃気滞の腹脹満、嘔吐、食欲不振、消化不良
⑵燥湿化痰 胸苦しい、咳、多痰、喘息
唐辛子 温裏類
[性味/帰経 ] 熱、辛/ 心、脾
[働き]⑴温中散寒 胃腹冷痛、胸背の冷え、疼痛
⑵健胃消食 食欲不振、消化不良
*注 前立腺肥大、膀胱炎、痔疾患、便秘の場合は控える
ビタミンK、止血剤を使用している人には禁忌
紫蘇 辛温解表類
[性味/帰経 ] 温、辛/肺、脾
[働き]⑴発表散寒 風寒表証の発汗、解熱、咳
⑵行気寛中 脾胃気滞の胸悶、嘔吐
⑶解魚蟹毒 蟹、海老、魚介類の中毒
花椒(花山椒、山椒) 温裏類
[性味/帰経 ] 温(熱)、辛/肺、腎、脾、胃
[働き]⑴温中散寒 脾胃寒証の胃腹の冷え、嘔吐、下痢
⑵燥湿除痺 関節・筋肉の冷え、麻痺
⑶温経止痛 生理痛、脾胃の寒湿疼痛、四肢疼痛
⑷殺虫 寄生虫による腹痛
黒胡麻 滋陰類
[性味/帰経 ] 平、甘/肝、腎
[働き]⑴滋補肝腎・養血益精 耳鳴り、頭痛、めまい、白髪、疲労
⑵潤燥滑腸 皮膚乾燥、腸燥便秘
松の実 滋陰類
[性味/帰経 ] 温、甘/肝、肺、大腸
[働き]⑴養陰平肝 めまい、かゆみ
⑵潤肺止咳 肺燥の咳、皮膚乾燥
海苔 化痰類
[性味/帰経 ] 寒、甘、鹹/肺
⑵清熱利尿 水腫、淋病、小便不利、脚気、不眠、皮膚病
*薬膳素材辞典より
仙人問答
ぺ「仙人、フードプロセッサーも、干しておいた葉っぱや皮、唐辛子、全て役に立ちましたね。」
仙「ふむ、自家製は何と言っても香りが違う。」
ぺ「そうなんですよね〜、。あ、でも仙人、体を温める『陽』に働く七味なのに、『滋陰類』の食薬も使ってしまいましたが、良かったですか?」
仙「『陰中求陽』」
ぺ「え、、陰中求陽⁇」
仙「陰の中に陽を求める。陰陽互根互用じゃ。陰から陽が生まれ、陽から陰が生まれる。」
ぺ「陰と陽は互いに助け合わなければ存在できない、、ですね。」
仙「そうじゃ。」
ぺ「それで陽の食薬にも陰の食薬を合わせる。」
仙「ふむ、今日作った七味じゃが、唐辛子のような温裏類の食薬は体を温めはするが、それによって津液を損なう場合もある。」
ぺ「あ、いつも仙人が言っている『温裏類は香辛料が多いから気をつけろ!』ですね。」
仙「例えば、土鍋に水を入れて温めるとしよう。」
ぺ「はい。」
仙「冷たかった水も火をつける事で温かくなって行く。」
ぺ「はい、。」
仙「しかし、沸騰し、温め続ければどうなる?」
ぺ「それは、、水が、いえお湯が蒸発していきます。」
仙「そうじゃ、放っておけば湯は無くなり、土鍋はカラカラになってしまう。」
ぺ「あ、だから、水、つまり陰を補う。」
仙「そうじゃ、水が無ければ、、つまり陰が無ければ陽は生まれんという事じゃ、。」
ぺ「なるほど、、常に温かいお湯を保つには、水が必要、、。陽を生む為には陰、、」
仙「ウハハハハ〜、滋陰類の食薬を入れておけば、土鍋がカラカラになる事もなく、乾燥を防いでくれるという訳じゃな。」
ぺ「温めて、、でも乾燥を防いで、、冬のお肌にも優しい七味、、か、。」
仙「さて、今日は冬至。久しぶりに土鍋温泉じゃ〜柚子湯、柚子湯〜〜」
ヒューン
*「柚子&唐辛子湯」はこちら