舌は臓腑を物語る
ぴゅー
ぴゅーぴゅー
ぺ「うぅっ寒っ!鬱陶しいマスクもこんな日は防寒に役立つわね。」
ぽか
ぽわぽわぽか〜ぁ
ハッ!
ぺ「やばい!やばい!やばい!また口が開いてるーーーッ」
ドバドバ
ザバーーッッ
ぺ「わ、何、、何か降ってきた、」
ヒュー
クルクルッ
ピタッ
仙「枇杷の葉じゃ、ぺんたん。今日は大寒、枇杷の葉酒の準備じゃ。」
ぺ「あ、そうか。」
仙「寒さで動きも鈍くなっておるようじゃのう、おおよそマスクの中では口が開きっぱなしになっておるのじゃろ。」
ぺ「アハハハ、、さすが仙人、見抜かれてる、。」
仙「口のゆるみはお肌のたるみ。」
ぺ「ゲーッッッ‼︎」
仙「口が開かぬようのど飴を放り込んでおく事じゃ。」
ぺ「のど飴⁈」
仙「ぺろぺろなめず、上あごにくっつけてそれを舌で押さえておけば舌が下がらず口も開かぬ」
ぺ「なるほど。そう言えば、ずーっと前に舌の定位置の話をカフェで聞いた事がありましたネ。」
仙「ほぉ、そうか、。」
ぺ「舌に定位置があるなんて全然知らなかったです。『よく口開けて寝てる人見るんですけど、、あの人達は舌の位置が違ってるんですね。』なんて言ってたのに、マスクのせいで今は私も、、」
仙「ふむ、そうようのう、。」
ぺ「舌は確か『心の竅(きょう)』、それから口は『脾の竅』でしたよね。だから心と脾の良し悪しがわかるはず、、。」
仙「確かにな、、しかし、舌でわかるのはそれだけではない。」
ぺ「他にも、、?」
仙「これを見よ。」
サラサラ
サラサラサラ
ぽん
ぺ「わっ、、舌の上に五臓が、、。」
仙「このように舌のそれぞれの部位はな、経絡を通じて臓腑と深く関連しておる、これでそれぞれの臓腑の変調を読み取る事が出来るのじゃ。」
ぺ「舌の先は心と肺、、真ん中は脾と胃、横は肝と胆、奥が腎、、。」
仙「そうじゃ、五臓の虚実を知るためには『舌質』をしっかりと見る事じゃ。」
ぺ「舌質?」
仙「では今日は『舌診(ぜっしん)』の話でもするかのう。」
ぺ「はい!ぜひ!」
仙「『舌診』というのは中医学の望診のひとつでな、舌を見て臓腑の情報を得るのじゃ。」
ぺ「はい。」
仙「大事なポイントは2つ、舌と舌の上の苔を見る事、じゃ。」
ぺ「はい。」
仙「舌全体を『舌質』と言ってな、この舌質の色、形、動きを見る。」
ぺ「はい。」
仙「そしてもう一つ、苔じゃ、この苔を舌苔(ぜったい)と呼んでな、色、厚み、質を見るんじゃ。」
ぺ「はい。」
仙「舌診はな、中医学の望診の中でも最も重要なものじゃ。この舌診により正気の盛衰、病位の深さ、病邪の性質、病状の進退状況を知ることができるのじゃ、そしてその変化により回復の見通しなども判断する事ができる、、。」
ぺ「はい、、。えーっと、舌診で、『舌質』を見て五臓の虚実を知る、、つまり弱ってないか、元気かどうかの情報を得るんですよね。」
仙「そうじゃ、そして、舌の表面にある『舌苔』を見る。舌苔は胃気が津液を舌の上に蒸発させて現れるものじゃから、この『舌苔』から胃の調子を判断する事が出来るのじゃ。」
ぺ「胃の調子、、それは大事、、。」
仙「あとは、簡単なことじゃ。」
ぺ「え?」
仙「ぺんたんよ、里の皆を呼べ、舌診ラップじゃ〜〜」
ぺ「は、はーい!」
〜〜 ♪ 〜〜 ♪ 〜〜 ♪ 〜〜
仙「〜yeah 〜♪ 舌先三寸心配(心肺)な〜い
中央通りでヒィヒィ(脾胃脾胃)笑い
脇にまわれば簡単簡単(肝胆肝胆)
奥でオヤジが陣(腎)取った 〜 〜」
里の皆「〜yeah 〜♪ちょっとちょっとそこの仙人さ〜ん
ゼッシツゼッタイ 見てみタ〜イ
五臓の元気を確かめタイ!」
仙「〜yeah ♪ 〜五臓〜元気か知りたいか〜い?」
里の皆 「♪ もちろん知りたい、ゼッタイ知りタイ」
仙「〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッタ〜イ 〜〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッタ〜イ あなたの舌苔、ミタイキキタ〜イ」
里の皆「まずは舌苔か、、。」
ベーっ
仙「〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッタ〜イ 〜〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッタ〜イ 〜白黒黄色、それともグレー?白黒黄色、それともグレー?」
ぺ「〜♪ゼッタイ白いゼ、うっすら白いゼ、淡雪のようなwhite タ〜イ」
仙「ヤッタゼぺんたんwhite タ〜イ、ゼッタイ元気で歌いタ〜イ〜♪」
仙「〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッタ〜イ 〜〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッタ〜イ 〜白黒黄色、それともグレー?白黒黄色、それともグレー?」
ミスシュガー「〜♪ゼッタイ黄色だいたい黄色い、私のゼッタイイエロータ〜イ」
仙「イエロー臓腑に黄信号、胃ー熱とって進みタ〜イ♪」
里の皆「〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッタ〜イ 〜〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッタ〜イ 〜白黒黄色、それともグレー?白黒黄色、それともグレー?」
仙「〜yeah ♪ それから見てよ、舌のイロ、紅白(コウハク)ピンク、ドッキリ青紫(セイシ)、紅白ピンク、ドッキリ青紫♪〜」
里の皆「???」
仙「〜yeah ♪ あなたの舌は何色ですか〜紅白ピンク、ドッキリ青紫、紅白ピンク、ドッキリ青紫♪〜」
里の皆「わ、今度は舌質か、、。」
ベーっ
仙「〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッシツ 〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッシツ〜」
松江くん「僕の舌はタンタン淡白、うっすら白い、ほんのり白い~♪ 」
仙「~yeah 白い白いはお疲れモード、気血補って温めな~♪」
団長「オッケーまかせな、おいらの出番、俺はそんなひ弱じゃないぜ、元気はつらつ真っ赤な舌さ~♪」
仙「~yeah 真っ赤な舌なら熱取りな~♪ゴーヤにトマト、薄荷に菊花~♪」
もこ「わたしのちょっと神秘的~舌の裏までムラサキで~♪」
仙「~yeah そいつは困った巡ってないぜ、あんたの気血巡ってないぜ、青梗菜だー紅花だ~♪」
道子「♪ 私の舌はピンク色〜、青紫じゃないわ、春爛漫のピンク色〜♪」
仙「〜♪ yeah 道子さんヤッタネ完璧~五臓元気だ、心配ないゼ~♪」
里の皆「〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッシツ 〜♪ ゼッゼッゼ、ゼッシツ〜」
ぺ「♪~みんなオッケー、ゼッシツオッケー、これでわかったゼッシンオッケー~」
里の皆「〜♪ yeah 〜〜♪」
正常な舌
- 神:潤沢
- 形: 程よい厚さ・大きさ
- 舌質: ピンク
- 舌苔: 薄白色
【 舌質 】
神(しん)
- ある: 潤沢、動きが自由
- ない : 乾燥、光沢がない、動きが鈍い
舌色
舌形
- 胖大(はんだい):舌の幅と厚さが大きくなる: 気虚証・陽虚証
- 痩薄(そうはく):舌が薄くなり小さくなる : 津液不足証・気血両虚証・陰虚証
- 裂紋(れつもん) : 舌の表面が割れている : 正常・淡白–血虚・絳紅–熱盛証、津液不足証
- 歯痕(しこん) : 舌の周りに歯の跡がついている : 気虚証・陽虚証
- 芒刺(ぼうし) : 舌の表面がトゲ状になっている : 熱盛証
舌態
- 強硬(きょうこう) : 舌が堅くて回らなく言語不利 : 熱盛傷筋・痰濁阻絡・肝風内動証
- 萎軟(いなん) : 舌が弛緩して無力 : 気血両虚証・陰虚証・高熱傷津
- 顫動(せんどう) : 舌が震える状態 :高熱・肝風内動証・心脾両虚証・気血不足証
- 歪斜(わいしゃ) : 舌を出す時に右か左に偏る : 肝風内動証・風痰阻絡・中風
- 吐弄(とろう) : 舌を異常に出したり戻したりする、口の周りを舐める : 心脾内熱
- 短縮(たんしゅく) : 舌が出ない状態 : 危重状態
- 麻痺(まひ) : 舌が痺れる : 血虚・肝血虚・風気痰盛
【 舌苔 】
苔色
- 白 : 舌質の色が見えなくなる : 表証・寒証・湿証
- 黄 : 熱証(裏熱の場合が多い)
- 灰・黒 : 寒証・熱証
苔質
- 薄 : 舌苔が薄い : 正常・表証
- 潤 : 舌苔が潤っている :正常
- 厚 : 舌苔が厚くて舌質の色が見えない : 湿証・食積・裏証
- 滑:舌苔の水分が多くなっている状態 : 水湿停滞・痰飲・陽虚
- 燥 : 舌苔が乾燥している状態 : 津液損傷・陰虚証
- 膩 : 舌苔のキメが細かく粘っている状態 :痰湿内停・食積
- 腐 : 舌苔がほぐした豆腐のようになっている : 食積・痰飲
- 剥脱 : 舌の表面が部分的に剥がれているような状態 : 食積・鬱状態
- 光鏡 : 苔が全部剥がれている状態 : 胃陰虚証・気陰両虚証
*参考文献「実用中医学」(源草社)
*「舌の定位置」のお話はこちら
*「五臓の竅」のお話はこちら
*望診①のお話はこちら
*神のお話はこちら