牧野富太郎さんの物語
皆様、こんにちは、ぺんたんです。
本日は中薬学に関連した道草編です♪
お時間がございましたらお付き合いください。
植物学
今年の1月に「ボタニカ」という本が出版されました。
これは牧野富太郎というひとりの植物学者の物語。
この牧野富太郎という人物、私、詳しいことは全く知らないのです。
私が知っている事は、とにかくものすごーーく植物に長けていた方で、出身地の高知県に「牧野植物園」という記念館のようなものがあるという事だけ。
いつかこの植物園に行ってみたいと思っていたぺんたんでしたが、その牧野富太郎さんの物語の本が出版されると知って、発売と同時に飛びついて読んでみました。
1月、私がこの本を読み終える前に、『2023年春の朝ドラは牧野富太郎さんをモデルに~』というニュースが流れたので、おそらくこの本はその為に書かれたのでは、と思うのですが
読後の感想としては、「えっ、これを朝ドラに⁈大丈夫⁈お茶の間は不愉快にならない⁈」です。
植物一色の世界
天才というよりは天命とも言えるような人生
何の予備知識もなく読み始め、まず最初に驚いたのは時代です。
高知県出身などと思っておりましたが、いえいえ、この方が生まれた時はまだ高知県ではなく土佐藩であります。つまり幕末の生まれ、坂本龍馬がまだ存命だった時代、物語はここからスタートするのです。
6・3・3制などとは程遠い寺子屋の時代、やがて明治維新へと。
次に驚いたのは、富太郎が研究を重ねて行く中で文中に*1『本草綱目』という書物が出てきたこと、
これは『李時珍』が書いた薬膳学・中医学の歴史に出てくる重要な書物なんです。
私にとっては単に歴史的書物でしかないものが、ここでリアルに登場し、実際に研究に役立てている事には感動ですよ。
幕末から明治、大正、昭和とひたすら植物に没頭した人生
得たお金は全て研究の為の書物などに費やしてしまい、年がら年中借金、夜逃げを繰り返す
植物界にはなくてはならない人だけれども、これだけ破茶滅茶でもなんとかなったのは、色々な制度が整っていない時代だからこそなのかなぁと思いながら、
いやいや、これだけのバイタリティーで植物と共に生きた人を、この本を読んだだけで終わってはいけないと思い、今月ようやくご本人の書かれた作品を読むことができました。
植物に精通されている方々には「ぺんたん何を言っているんだ、牧野富太郎と言えば日本で最も有名な植物学者だぞ、その牧野富太郎の植物図鑑も知らんのか⁉︎」と怒られそうなんですが、なんと言っても私は薬膳を始める前は、食物には興味があっても植物にはなんの興味もない人間でしたから、植物図鑑など無縁、知る由もありません。
でも、薬膳・中医学の勉強を始めてみたら、中薬として扱う物は殆どが植物。動物や鉱物もありますが、圧倒的に植物!
植物の葉、花、蕾、枝、樹皮、根、塊根、種子
そこで、まずは牧野富太郎さんの描かれた画集を手に取ってみました。
『ボタニカ』の本の中でもその類稀なる植物の描写力について書かれているので、やはり観てみたいですよね。
*牧野富太郎植物画集
美しいだけではないこの画集、毛筆で描かれている作品が多く、時代を感じます。
見事な筆遣いに感服するとともに、単なる写生ではなくて、絵画でもあり解剖図でもあり、、
全体像はもちろんのこと、花弁、メシベ、オシベ、種子、根など、事細かに描かれています。
「あ、綺麗な花、スマホでパシャッ」という現代からはかけ離れた世界がそこにあります。
自分自身がいかにきちんと物を見ていないか、、痛感しますッ(>_<)
そしてもう一つ、植物について書かれた随筆集を読んでいます。
*植物一日一題
これは表題通り、牧野氏が一日に一題ずつ執筆され百日百題書かれた随筆
戦後一年後、牧野氏が84歳の時に書かれたものだそうですが、内容がとんでもなく濃い!!!
冒頭から「馬鈴薯とジャガイモ」の違いについて書かれており、エッ⁉︎
馬鈴薯≠ジャガイモ
他にも「百合とユリ」「昔の草餅、今の草餅」などなど、
文中には英語の学術名なども表記されており、読みづらい漢字も多いけれど興味深いお話が実に盛り沢山
そしてここでも「本草綱目」からの記述があちこちに
ふぅ、、「知識」とはこう言うことを言うのだと実感させられます
中医師のweb講座を受講した際、先生が言って見えましたね、「『知識』とは知っているだけではダメです、きちんと識別できないと、、」
情報過多の時代、何でも検索すれば出てくる出てくる
でも検索で得たものは知識ではなく単なる情報
中医学の勉強をしているとつくづく思うんですよ、情報過多の時代だからこそ、その情報の真偽を見極めるために「知識」が必要なんだ、とね
目下、中薬学に出てくる様々な中薬たちに苦戦中
まず、漢字が読めない
読めても、それが何なのかわからない
中薬学辞典と睨めっこして、その正体を探る日々
葉なのか、根なのか、種子なのか
温めるのか、冷やすのか
潤すのか、乾かすのか
補うのか、瀉するのか
毒性があるのか、ないのか
そして、それはどんな姿形なのか
途方もなく時間のかかる作業にうんざりしていたけれど
こんな程度の事はまだまだ序の序の序の口だと
牧野氏の描かれた作品、書かれた随筆に教えられました
そして朝ドラ
2023年の朝ドラ、この牧野富太郎さんを演じるのは「神木隆之介」君との発表がありました。
神木隆之介君、とっても好きな役者さんです。
1番最初に彼を知ったのは、まだ子役だった頃で、もう随分前の作品だと思うのですが、緒形拳さんと一緒に出ていたドラマ。
確か神木くんの役は知的障害を持っている役で、でも花の名前が何でも言えちゃうような子だったような、、
このドラマの中で、神木くんがピアノで「乙女の祈り」を弾くシーンがあったのですが、それがとても印象に残っていて、それまで「乙女の祈り」という曲をあまり好きではなかった私に、この曲を好きにさせてくれたドラマでもあります。
花の名前が言えちゃう役を演じていた神木くんが、どんな風に「牧野富太郎」さんを演じるのか
またこのとんでもない、いえ、飛びまくってる人生をどのように脚本家は描くのか
そして、どんな風景が、どんな草木がこのドラマを彩るのか
来年の春を楽しみに待つことにします。
でも、その前に高知の牧野富太郎植物園に行きたいッ‼️
そうそう、この神木くんが出ていたドラマが何だったのか気になったので「神木隆之介、緒形拳、ドラマ」で検索してみました。
結果は
『風のガーデン』
あらっ、主演は中井貴一さん⁉︎
ヒェー、これぞ正真正銘『記憶にございません』!
ガーデン繋がりで最後にぺんたんオススメの1曲を❣️
〜〜 ♪ 〜〜
花は咲いては枯れ
あなたに心奪われ
それでも守り続けたくて
ガーデン 果てるまで
人は出会い別れ
失くしてはまた手に入れ
それでも守り続けたくて
私のガーデン 果てるまで
〜〜 ♪ 〜〜
藤井風『ガーデン』より