盆・Bone ・イソフラボン8月
皆様こんにちは、ぺんたんです
ホラホラ、これが僕の骨だ、
生きていた時の苦労にみちた
あのけがわらしい肉を破って、
しらじらと雨に洗われ、
ヌックと出た、骨の尖。
それは光沢もない、
ただいたずらにしらじらと、
雨を吸収する、
風に吹かれる、
幾分空を反映する。
生きていた時に、
これが食堂の雑踏の中に、
坐っていたこともある、
みつばのおしたしを食ったこともある、
と思えばなんとも可笑しい。
(『在りし日の歌』『骨』より)
高校時代愛読していた中原中也の詩
ふと思い出しながら
おじさんの骨を拾う
コツコツ と
骨拾い
6月の始めに大学病院から連絡が来た
献体に提供したおじさんの火葬日時が決まったとのこと
おじさんが亡くなってから丁度1年
送られて来た文書には
火葬日時とそれについての説明が書いてあり
火葬後の遺骨の受け取りについて3択になっている
火葬日は8月15日
①火葬前にお別れを希望する場合 8時集合
②火葬後に骨を拾う場合 9時集合
③火葬日には出向かず、後日大学病院へとりに行く
おじさんから「献体後に遺骨が送られて来たら、寺に納めてくれ。永代供養の申し込みをしてお金も払ってあるから」
と聞いていた私は、遺骨はクロネコヤマトか佐川さんか、或いはゆうパックで送られてくるのかと呑気に構えていたら、なんだ、遺骨はとりに行かなければいけないのか、、
お盆休み中だし、仕方ない骨を拾いに行くか、、
8時集合の場合は6時半に家を出なければいけないので、これは却下
「9時集合」に◯をつけ
「感謝状は入りません」に◯をつけ
「一般的な骨壷のサイズ」に◯をつけ
彼女にも同行するか連絡をし
返送した
遺骨を受け取ったらその足で寺に行って納骨しようと思っていたら
「盆は納骨は受け付けてません」と寺に断られ
あー、またもう1日費やすのかぁとガックリ
彼女からは「暑いのが苦手なので15日はご一緒できません、納骨の日は一緒にお参りしたいと思っています」と返事が来ている
因みに納骨料は5万円だそうだ!
おじさん!全部払ってないじゃん!!!
斎場に着くと、すぐさま係員の女性がやって来て
「献体の方のご家族様でしょうか?ご案内致します」とスムーズな流れ
案内されたテーブルには既に小さな骨壷が置かれ、おじさんの名前と火葬番号が書かれた紙が置いてある
周りのテーブルでは何組かの家族が待っていて、置かれている骨壷は皆それぞれ違っている
きっとこの方達は「お別れ」をした方達に違いない
運ばれて来たお茶を飲んで
係員に従って何かの書類に印鑑を押して
暫くしたら
2人の男性がやって来た
「私、大学病院の◯◯です、この度は献体にご協力して頂きありがとうございました」と、名刺を差し出す
受け取って、話を聞く
「4人の学生が解剖して勉強をさせていただきました。やはり普段は紙の上だけでの勉強になりますので、今回のように実際に勉強できるのは大変ありがたい事です。4人の学生のうち、1人が大変リーダーシップを発揮しましてあれこれと積極的に実習を行いました。今後、彼らが立派な医師になって行くために大変重要な経験だと思っています。本当にありがとうございました。」
かるく頷いていると
「何かご質問は?」と聞かれ
え⁉︎質問⁉︎
残念ながら、気の利いた質問事項は浮かばず、、^^;
チャイムが鳴って放送が入り、火葬番号が読み上げられる
呼ばれた家族から火葬場に赴く
最後の方になってようやく呼ばれ、案内人に従って火葬場へ
この斎場は古いので、一旦外に出て暑い中を歩いてから更に暑い火葬場に入る
中に入ると
「◯◯番」と番号が呼ばれ
おじさんの骨がのった台が、炉から勢いよく引っ張り出される
熱気
熱気
熱気
係員が
パシパシッ
と頭蓋骨を砕いて手際よく拾う
更に幾つかの骨を拾って台にのせる
合掌
女性の係員が
「こちらが頭蓋骨の一部、そして上顎、下顎、それからこれが喉仏、お舎利様ですね。仏様の形をしているのです、ここが肩で、、」と説明をしている
おじさんのお舎利様は崩れているところがなく見事に美しい
その骨を大きな箸で拾って骨壷に収める
最後に入れるお舎利様は
慎重に 慎重に
「本日はご苦労様でした」と挨拶されて
骨壷と一緒に斎場を後にする
ほっ
やれやれ
骨拾いも終わって
朝イチで名古屋まで出て来たわけだから、美味しいものでも食べて帰らないとね〜
そこは抜かりなく
「豆腐懐石くすむら」を予約しておいた!
そういったものが大好きで♡
あったか〜い「おぼろ豆腐」から始まって
生湯葉の刺身やら、田楽やら、天ぷらやら
美味しく美味しく頂きました♪
今年の私の夏休みは日曜〜日曜、丸っと1週間あったので、「骨拾い」以外は色々と楽しみましたよー♫
そのひとつが
日本経済を支えるあの「豊田市」へ
この絵は小さい頃何度も見て
ただただ不思議?だったけれど
これらの絵が全て木版やリトグラフによる『版画』だったとは全く知らなかった!
展示されている作品の数はものすごく多い
来場者もたくさんで混み混み
ひとつひとつの絵を見るのに時間もかかる
トータルで2時間以上かかってしまった
初期の作品から
平面を隙間なく埋めていく「テセレーション」作品
そして
数学的・工学的・物理的・幾何学的作品へ
一体この人の頭の中はどうなっているのだろう⁇
無限に繰り返される「滝」や「階段」の摩訶不思議な絵は余りにも有名で何度も見て来たが
平面を埋めていく「テセレーション」作品は今回初めて見たので、その面白さ美しさにすっかり魅了されてしまった❣️
ファイルとポスターを買って飾ろう!
自然界便り
涼し〜い美術館も良いけれど
やっぱり自然界も好き!
という事で
熱中症警戒アラート発令の中
ネックファンを引っ掛けて訪れたのは
ここに日本最古の石があるというので
汗だくだくで行って来ました
新しく取り付けられたらしい簡易階段を
降
り
て
降
り
て
降
り
て
飛騨川の河原へ
ここが20億歳の石が発見された場所
河原に降りていくと
スッと
少しだけ涼しくなる
砂地にはこんなオブジェも
これは何億歳?
河原に出かけた時はお気に入りの石を見つけて拾ってくる
地質学とかそういったものに興味がある訳ではなく
単なる石
名もなき石
を拾って
お家に着いたら
年月日と場所を記入して
庭に、玄関の飾りに
薬草干しの重しに(^^)v
秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があって
それに陽は、さらさらと
さらさらと射してゐるのでありました。
陽といっても、まるで硅石か何かのやうで、
非常な個体の粉末のやうで、
さればこそ、さらさらと
かすかな音を立ててもゐるのでした
*中原中也「一つのメルヘン」より
最古の石が展示されているという
「日本最古の石博物館」へ
中に入ると地下の展示室に行くエレベーターへと案内される
乗ったら何と
このエレベーターは「プレカンブリア紀」行き!
ズズズッ
ドドドドドッ
到着!
ありましたよ
日本最古の石が!
七宗町で発見された20億歳の石がこちら
でも
2019年に
島根県津和野町で25億歳の石が発見されたそうで
編集後記
おじさんの骨を拾いながら
読みかけた本の中にも
こんな風に骨を拾うシーンがあったなと思い出す
「サンショウウオの四十九日」
“同じ身体を生きる姉妹”
どんな話なんだろうと興味を持った
著者の朝比奈秋氏は現役のお医者さんだそうだが(西洋医学の)
この本の中には中医学の概念がびっしりとつまっていて驚いた!
「陰陽図」
「陰陽は相補相克、補いあい、かつ、競いあう」
「陽中の陰、陰中の陽」
これが全編を通して描かれている
“同じ身体を生きる姉妹”
これはまさに「陰陽魚」「陰陽互根・対立制約・陰陽転化」を現しているように感じた
もしかしたら作者は「陰陽魚」を見てこの物語を創造したのかもしれない
円形宇宙の中に存在するものはみなつながり、互いに消長・変化しあい、「落葉帰根」のように、始点と終点はいつも同じところだと認識されている。
すべてはつねに消長・変化するものであるということ、そして同時に、すべては循環し同じところに還るものであるということ、
ここに整体観念と弁証論治という二つの中医学の特徴が生じている
*実用中医学より
「落葉帰根」
葉は落ちて根元に帰る
落ちた葉から栄養を得て木は育つ
再び葉が繁り
葉が落ちる
繰り返し
繰り返し
循環する
陰陽図(陰陽魚)
*陰陽図(陰陽魚)のお話
*「陰陽互根・対立制約」のお話