今週のお題「得意料理」
めまいが、耳鳴りが、不眠で、足腰が、物忘れが、
という人、寄っといで
パン パン
パパンパン
仙「さあさあ皆さん、お立ち会い、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。本日はあの小田原の『外郎売り』も真っ青になる、仙人社特製、『秘伝のイカ飯』の紹介じゃあー。」
ざわざわ
ガヤガヤ
仙「これを食べれば、あなたの腎精(人生) 良いことづくめ、、さぁさぁ肝腎肝心のイカ飯はいらんかえー?」
通行人「なんだ、なんだ、、。」
ゾロゾロ
ゾクゾク
わさわさ
わさわさ
仙「たった一度の人生だ、ねぇ皆さん、楽しく生きようじゃありませんか。親からもらった腎精を大事に育てて充実させる、そんなイカ飯、。はい、ちょっと見てっておくんなさいよー。」
ガヤガヤ
ガヤガヤ
仙「はい、こうして醤油湯に漬けたお米と、枸杞子、黒豆、にんじんを入れて具材を混ぜ合わせ〜」
シャッシャッ
仙「イヨっとイカに詰めたらあとは煮るだけ。」
ポンポン
仙「おっと、忘れちゃいけないうずらの卵。」
参拝者1「美味そうだな。」
参拝者2「いい匂いがして来たわねー。」
パン パン
パパンパン
仙「人生、人生と言うけれど、こちとら同じ人生でも、体の健康の元になってる腎精だぁ。ずずずいっと体の中を巡らせて、骨髄、脊髄、脳髄なんざお手の物、耳鳴り、めまいは勿論の事、記憶の海へも漕ぎ出しますぜぇ、。」
ざわざわ
ざわざわざわわ
仙「はい、そこの色白のお嬢さん、、あなたほんとにお美しい、、。でも、ちょっとクラっとしたりはしないかねぇ?」
お嬢さん「あ、どうしてわかるの?私、貧血症で、、。」
仙「はい、そんな時こそこのイカ飯、これを食べれば心にぽっと灯がともり、頬にほんのり赤みがさして、貧血症ともおさらばじゃ。」
お嬢さん「あら、じゃあ、イカ飯ひとつ頂くわ。」
仙「はい、毎度あり、、。お代は食べてからで結構、気に入らなきゃ頂きません、この賽銭箱へ入れて行っておくんなさい。」
チャリチャリチャリーン
仙「さあさあ、そこの若旦那、仕事のし過ぎじゃぁ無いのかい?」
若旦那「いやもう、ブラック企業で残業続き、、疲れているのに眠れず、夢ばかり見てうなされて、、。」
仙「ほい来た、そんな時こそこのイカ飯、腎精が潤えば心も潤う。疲労困ぱいで失った気血を補って、若旦那の心の神を安心させてやろうじゃありませんか?」
若旦那「では2つ、、。」
仙「はい、イカ飯ダブル、毎度あり〜、これで今日から安眠安神。」
札 ヒラヒラ〜
男「ふん、なんかいかがわしいなぁ、ヨォ、仙人とか言ってるけどヨォ、イカサマ仙人じゃないのかぁ?」
仙「ホイホイこれは若い衆、それを言うならイカ飯仙人、イカサマかどうか、さぁ先ずはひとつ食べてみておくんなさい。」
サッ
パクッ
男「う、美味い、、」
男2「アニキ、俺にもひと口くれよぉ。」
男「お、おい仙人、このイカ飯は耳鳴りにも良いのか?」
仙「ホイホイ、人生、なんと言っても腎精が鍵、精髄不足じゃ耳鳴りもおこる。精髄を生み出すこのイカ飯で、めまい、耳鳴りもたちまち解消じゃ。」
男「ふ、ふん、良し、親分に買って行ってやろう、近頃耳鳴りがひどいらしくてな。」
男2「アニキ、俺の分も、。」
男「イカ飯、3つ」
仙「はい、毎度あり、若い衆、これで出世も間違いなしじゃ。」
札 ヒラヒラヒラ〜
ご婦人「あの、このイカ飯は腰にもに良いのですか、。」
仙「おぉこれは又見目麗しいご婦人じゃ、。」
ご婦人「仙人社までの山道は、腰痛の私には辛くって、。」
仙「ほいほいそんな時にもこのイカ飯、。イカとウズラが寄り添えば、貴女の腎精を滋養して、辛い腰痛も消えて行く。」
ご婦人「まぁ、それなら、、えーっと、家族の分も、、5つ頂きますわ。」
仙「はい、イカ飯ファイブ、オマケにうずら卵を多めに入れておきますんで、、。毎度ありがとうございます。」
札 ヒラヒラ
ヒラヒラヒラ〜
仙「さぁさぁ、イカ飯も残り少なくなって来ましたよ、、あとは早いもん勝ちだ、。腎精豊かにしたい方は、、。」
老人「わ、わしにも、、」
仙「これはこれはシルバーグレーの素敵な紳士、、イカ飯でますます若返りですぞ〜。」
老人「いや、婆さんが、、このところ物忘れが酷くなって来て、、心配で、、。」
仙「ほぉほぉ、そんな時こそこのイカ飯。黒豆、枸杞子も入ったこのイカ飯で髄の海を充実させれば、婆さん、いや奥方の記憶力もどんどん回復間違いなしじゃあ。」
老人「では、、ふたつ、、。」
仙「はい、毎度あり、、。食べ易いよう、切っておきますんでねー。よく噛んで召し上がって下さいよ。」
札 ヒラ〜
参拝者「私も〜」
参拝者「イカ飯3つ〜」
参拝者「こっちは2つねぇー。」
わいわい
わさわさ
ヒラヒラ〜
ヒラヒラヒラヒラ〜
黒豆と枸杞子入りイカ飯
材料(2人分)
うるち米80g、醤油大さじ1、
茹で黒豆20粒、枸杞子20g、にんじん20g、ネギ10cm、生姜15g、茹でうずら卵6個、
水、醤油大さじ1、紹興酒大さじ1
作り方
- 黒豆は塩水に浸けひと晩おき、茹でる。
- お米は洗って、醤油大さじ1を入れた温水に1時間浸けておく。
- イカは内臓を取り綺麗に洗う。
- にんじんは粗みじん切り、生姜とネギは半量をみじん切り、半量をぶつ切りにする。
- お米、黒豆、枸杞子、にんじん、みじん切りにした生姜とネギを混ぜ合わせる。
- 5をイカの半分くらいまで詰め、楊枝で止める。
- 鍋にイカがかぶるくらいの水、ぶつ切りにした生姜、ネギ、イカ飯、うずら卵、醤油、紹興酒を入れて蓋をして火にかけ、沸騰したら弱火にして1時間ほど煮て火を止め、蒸らす。
烏賊(イカ) 養血類
[性味/帰経 ] 平、鹹/肝、腎
[働き]⑴養血滋陰 貧血、血虚閉経、出血、帯下
黒豆 利水滲湿類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、腎
[働き]⑴去風利水 むくみ、腹水、関節腫痛、黄疸
⑵滋陰補血 陰血不足のふらつき、月経不順
⑶活血解毒 水虫、吹き出物、薬物中毒
枸杞子 滋陰類
[性味/帰経 ] 平、甘/肝、腎、肺
[働き]⑴滋補肝腎 足腰疼痛無力、遺精、めまい、頭のふらつき
⑵益精明目 白髪、視力減退、眼精疲労、風に当たると涙が出る
⑶潤肺止咳 肺腎陰虚の慢性咳、喘息
鶉玉子(うずらのたまご) 滋陰類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、肝、腎、心
[働き]⑴補虚強骨足腰 倦怠感、めまい、記憶力低下
⑵補気養血 貧血、消痩、精神不安
にんじん 養血類
[性味/帰経 ] 平(微温)、甘/肺、脾、胃、肝
[働き]⑴養血明目益肝 血虚による目の乾燥、かすみ、視力低下
⑵斂肺止咳 咳、咳痰
うるち米 補気類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補中益気・健脾和胃 脾気虚の疲れ、食欲不振、むくみ、下痢
⑵除煩止渇 精神不安、イライラ、口渇
仙人問答
仙「今日のイカ飯、名付けて『滋陰補血益腎』の術!」
仙「ウホっ、、」
完売御礼