心よ、心ファイヤーよ。
仙「えーそれでは只今より、五臓六腑内閣府、緊急会議を行うものとする。」
全員「ははぁ。」
仙「今日は、わしが議長を務めるのでな、よろしく頼むぞ。」
全員「ははぁ。」
仙「それでは、まずこの緊急会議を招集した理由であるが、皆、わかっておるか?」
全「ざわざわざわ、、。」
仙「なんじゃ、そんなことでは困るのう。『ぺんたんの夏カゼ問題』じゃ。」
全「やはりそうか、」「どうしてこんなことに?」「気をつけろと言ってあったのに?」
仙「勝手にしゃべるでない。発言は手をあげて、議長に従ってもらわんと。」
全「ざわざわざわ、、シーン。」
仙「それではまず、それぞれの代表から自己紹介を兼ねて、発言していただこう。君主の官、心、心ファイヤー君。」
心「えー、只今ご紹介に預かりました、君主の官、心ファイヤーです。ま、私はご存じの通り、人間生命を運営する精神活動の根本を受け持っております。えーそうですね、最近のぺんたんは、特に問題も無く、ですね、え、やっておりました。」
仙「続いて、相傅(そうふ)の官、肺、肺メタル君。」
肺「はっ、私は君主を助けて政治を行う補佐役で、生命現象である脈の流れを規制する呼吸を営んでおります。私も、ぺんたんの呼吸について特に激しい変化は感じられませんでした。」
仙「次は、将軍の官、肝、肝ウーッド君。」
肝「えっと俺は、いやいや私は外邪との戦いに計略と命令を下す任務を持っています。がぁ、そんな外邪も、見かけなかった気がするっす、、いえ、致します。」
仙「では、中生の官、胆、胆くん。」
胆「はい、えー中々登場できませんでしたので、今回招集していただき、有難く思っております。正邪を見分け、正をとり邪を追い払う断をなしております。私が邪を見落としたか、と深く反省いたしております。」
仙「えーと、あと大事なのは、あ、膻中(だんちゅう)君。」
膻「はい、心包絡にもあたり、臣使の官でありますので、侍従の職であり、心に変わって喜怒哀楽の精神感情を受け持っております。」
心「私は忙しいんだから、君がしっかり補佐してくれないと。」
仙「心くん、勝手な発言は困りますぞ。では,腎、腎ウォーター君。」
腎「はい、私は作強の官、力強さを作るところでありますから、肝の取り計らう計略に細々した技巧を持って力を添え、肝腎相揃って防衛の中心として働いております。外邪の侵入を防げなかったこと、誠にもって反省すべきことであります。」
仙「ふむ、後、脾胃のお二人はいかがかな?」
脾胃「は、我らは倉廩(そうりん)の官、農林省の食料提供の役を担っております。五臓を営養する五味を飲食物の中から消化吸収して分配しております。ぺんたんに関しましては、いたって順調に営養を吸収して消化しておりました。」
仙「ふむ、脾胃の農林省の方は問題がなさそうじゃ。となるとやはり、心、肝、腎に問題があったか?」
腎「今回は夕立もありまして、まさに一瞬にして邪気に侵入されたものと思われますが、、。」
膻「いえ、実は少し思い当たることがございます。少し前より、ぺんたんがドキドキすることが増えており、、何度も心に申し上げたのですが、、。」
肝「え、なに?じゃあさ心ちゃんが見落としたってこと?」
心「馴れ馴れしい、言葉を慎みたまえ。そうですね、確かに多少のドキドキはあったかとは思われますが、、」
肝「えーやっぱ心ちゃん、気付いてたんじゃん。気づいてたのに放置したの?」
心「いや、私はすぐさま対応するよう膻中に申し付けたはずです。」
腎「気づいていながら放置されるとは、なんたる事、一国の君主であらせられますぞ。」
心「ですからね、私は他の任務も有りますので、膻中に、、。膻中、一体君は何をしていたのだね。」
ガタッ ガタガタガタッ ドバドバドバー
仙「何をやっておるのじゃ、膻中。」
膻「も、申し訳ありません。卓上のアメをばら撒いてしまいまして、。」
仙「無駄な時間を取らせるでない。」
膻「は、しかしながら、将軍の官である肝くんにも責任があろうかと、、」
肝「えー何言ってんの。」
心「君、肝くん、君はちゃんと外邪を見張ってなかったんじゃないの?」
肝「だからぁ、言ってんじゃん、俺はノビノビタイプなの。見張りとか戦いとか、そういうの向いてないし、ゴチャゴチャ言われるのも嫌いなの、鬱になっちゃうっすよ。」
腎「そういう事では困る。肝腎揃っての任務ですぞ。」
肝「んなこと言ったて、腎はLINEとかもできないっしょ、コミュニケーションとれないんだよなー」
心「そういう連携プレーの乱れが、今回の問題を引き起こしてるんですよ。」
肝「えー、そうやって又責任逃れっすか?」
心「責任逃れとは君、失礼だよ。私は皆んなで、だね、皆んなで問題に取り組み、解決する、そういう事が大事だと言っているんです。時代は総活躍を求めている。」
仙「心くん、我らは中医学の世界じゃ、総活躍ではなく、相生、相剋を主とし、お互いを育み、牽制しあってバランスを取っていかねばのう。」
肝「心ちゃんの責任〜」
膻「雨です、雨が降ってきたせいであります。」
ざわざわざわ、、
「雨の〜」「心の〜」「あめの〜」「しんの〜」「アメの〜」「シンの〜」
仙人問答
仙「ぺんたん、ぺんたん、ぺんたん」
ぺ「う、う〜ん、、、あ、仙人。」
仙「どうした、大丈夫か?随分うなされておったぞ。」
ぺ「ゆ、夢、、? とっても怖い夢を見ていました。」
仙「どんな夢じゃ?」
ぺ「五行レンジャー達が集まって、会議みたいな事をしているんです。でも、皆んな勝手なことばかり言って、、」
仙「ふむ、それはよくない夢じゃったのう。」
ぺ「私、肝ウーッドとは話したことがあるけど、他のレンジャーとはまだあまり話したことがないでしょ? 夢の中では、皆んなあれこれしゃべってるんだけど、、」
仙「・・・」
ぺ「仙人、心の、心ファイヤーの、あのキャラクターは、嫌です。」
仙「案ずるな、ぺんたん、全ては熱にうなされた夢に過ぎん。」