これも修行だ⁉︎
ぺ「仙人、この前新しい中華料理店を見つけたんですよ。薬膳料理、薬膳茶、なんていう看板が出てました。行ってみませんか?」
仙「ほお、それは良いのう。ではぺんたんの勉強も兼ねて行ってみるとするか。」
ヒューン じゃなくて、ブッブー
ぺ「うわぁ、メニューがいっぱい。あ、ほら仙人、五行図まで載ってますよ。」
仙「ウハハハハ、ぺんたんの書いた五行図と違って、綺麗じゃのう。お、麦酒が半額になっておるぞ、これは良い。」
ぺ「何言ってるんですか仙人、薬膳料理を食べに来たんですよ。」
仙「そうか、、、。」
ぺ「肝に良い薬膳、心に良い薬膳、脾、肺、腎、、。美肌薬膳、茶薬膳、薬膳の王様、、。色々ありすぎて迷っちゃいますね〜」
仙「わしは、これじゃ、脾の薬膳。季節の変わり目は常に脾を大切にせねばのう。」
ぺ「えー、どれにしようかなぁ〜〜。まだ暑いから、、心の薬膳。それからー」
あれこれ あれこれ あれこれ
仙「ぺんたん、そんなに注文して、ダイエットは良いのか?」
ハッ
ぺ「そうでした、、。でも、今日は特別な修行ということで、、。」
店員「お待たせいたしました。山芋と干し椎茸の炒め物 です。」
仙「これはわしが注文した脾をいたわる薬膳じゃ、うまそうじゃのう。」
ぺ「いろんなものが入ってますね。長芋、干し椎茸、しめじ、木耳、パプリカ、オクラ、白胡麻、」
仙「あっさりした醤油味のあんじゃな。」
店員「はい、海鮮3種とセロリの炒め物 です。」
ぺ「綺麗〜、これ私が注文した心の薬膳ですよ。『セロリの香りでリラックスできます』とメニューに書いてあります。」
仙「これも、具材が多いのう。」
ぺ「はい、海鮮3種は、イカ、エビ、ホタテ。それからセロリ、パプリカ、キュウリ、ベビーコーン、ブロッコリー、きくらげは、白も黒も入ってます。」
仙「うん、うまいうまい、こっちは塩味じゃ。」
店員「お待たせしました〜。はい、スープに、エビチリ、チャーハンに、、」
ムシャムシャ もぐもぐ パクパク
ま ん ぷ く
店員「はい、お会計ですね、ありがとうございました。」
チーン
仙人問答
ぺ「仙人、とっても美味しかったですね。」
仙「そうじゃのう。」
ぺ「これで、脾も心もバッチリですね。」
仙「確かにのう、しかしぺんたん、一つ気をつけねばならぬぞ。」
ぺ「はい、何をですか?」
仙「もし、薬膳師を目指して勉強中の者がおったら、このレシピで薬膳レポートを書いてはならぬ。確実に再提出じゃ。」
ぺ「あ、そういえば、、。私も卒業レポートで作った薬膳、29品のうち4品再提出でした。」
仙「何が悪かったか、わかるか?」
ぺ「はい、材料、つまり食薬を色々使いすぎて、目的がはっきりしなくなってしまったからです。」
仙「そうじゃ、。例えば、この『海鮮3種とセロリの炒め物』の材料で考えるなら、
- 熱をとり陰液を潤すなら、セロリ、キュウリ、ホタテ、白きくらげの組み合わせじゃ。
- 冷え性などで体を温めたいなら、エビ、パプリカ、ブロッコリーの組み合わせじゃ。
- 貧血などの場合は、イカ、ブロッコリーの組み合わせじゃ。」
ぺ「なるほど、薬膳師の試験となると、一般の薬膳料理とは違ってくるのですね。」
仙「そうじゃ、体を冷やしたいのか、温めたいのか、症状に合わせたはっきりしたレシピを作らねばのう。」
ぺ「そうなんですね、薬膳のレシピ本には材料の多いレシピも載っているので、それで良いのかと思って、私も卒業レポートを書いたのですが、気をつけなくちゃいけませんね。」
仙「そうじゃのう、しかし、普段はあまり厳密になってはいかん。毎日の家庭料理じゃからのう、組み合わせてはいけないものだけはしっかりと押さえておいてな。」
ぺ「はい、仙人。 ところで仙人、今日の修行、とっても美味しかった、いえ為になったのでまた行きたいです。」
仙「ダイエットは良いのか?」
ハッ!
ぺ「・・・」