肺気を補い、乾燥を防ぐ薬膳
仙「では、干した紅参を使って薬膳を作るとしよう。」
ぺ「はい」
パパパパッ
ササササッ
ぽん
ぺ「仙人これは、、」
仙「今日使う中薬じゃ、朝鮮人参と合わせて使えばより効果的な薬膳料理が作れるぞ。」
ぺ「うわ、なんかドキドキ、どんな薬膳が出来るのかしら?」
仙「なに、難しくはないぞ。いつものように、中薬を水に浸け、それを煎じれば良いだけじゃ。」
ぺ「はい、ではまず、薬湯の材料を全て水に浸けておきます。」
ポチャポチャ
仙「手羽元は昨夜のうちに塩麹をまぶして寝かせ置いたのでな、あとはこれをじっくりと煮込むだけじゃ。」
ぺ「はい!」
コトコト
グツグツ
コトコト
仙「40分ほど煮込んだら、強火にしてもやしを入れ一煮立ちさせてネギを入れる。火を止めて完成じゃ。」
ぺ「はい、手羽元の薬湯煮込み、出来上がりです。」
ぽん
ぺ「美味しそう、、。」
仙「よし、早速食すぞ。」
パクッ
ズズッ
ぺ「手羽元が柔らかい〜」
仙「良く出汁が出ておる。」
仙「薬湯とガラスープがうまく混ざり合っておる」
ぺ「朝鮮人参も食べてみよ、、」
パクッ
ぺ「わっ、苦い、、」
仙「ウホッ、更に煮込めば苦みはなくなるぞ。」
ズ
ズズッ
ぺ「このスープは飲み干さねば〜」
仙「無理する事はない、残ったらこのスープでまた何か煮込めば良いのじゃ。」
ぺ「あ、そうか、、」
鶏手羽元の薬湯煮込み
《 立法: 益気補陰 》
材料(2人分)
薬湯
作り方
- 手羽元は骨の所に切り込みを入れ、全体に塩麹をまぶしてラップでぴったり包み半日以上おく。
- 土鍋に分量の水と薬湯の材料を全て入れ30分以上置いておく。
- 2に1の手羽元を入れて蓋をし、火にかけ、沸騰したら弱火にし30分〜40分煮込む。
- 3にもやしを入れて強火で一煮立ちさせ、小口切りにしたネギを散らし火を止める。
*「朝鮮人参・独活を干す」
*朝鮮人参
鶏肉 補気類
[性味/帰経 ] 平(温)、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補中益気 脾胃虚弱、消渇(糖尿)、食欲不振、下痢
⑵補精添髄 虚弱体質、消痩、産後無乳、四肢無力
⑶降気止逆 咳、げっぷ、しゃっくり
[性味/帰経 ] 微温、甘、微苦/肺、 脾
[働き]⑴補気固脱 気虚欲脱の大汗、動悸、めまい、大量出血、嘔吐、下痢
⑵補脾益肺 脾肺気虚の疲れ、自汗、喘息、食欲低下、むくみ
⑶生津止渇 津液不足の口渇、喉の乾燥
⑷安神益智 心神不安、不眠、多夢、心悸、健忘
黄耆(おうぎ)補気類
[性味/帰経 ] 微温、甘/脾、肺
[働き]⑴補気昇陽 脾肺気虚の内臓下垂・息切れ・めまい・腹脹・下痢
⑵益衛固表 自汗・風邪をひきやすい
⑶托毒生肌 皮膚の慢性潰瘍の癒着が遅れる
⑷利水退腫 むくみ・尿少
麦門冬(ばくもんどう) 滋陰類
[性味/帰経 ] 微寒、甘、微苦/肺、心、胃
[働き]⑴清熱潤肺 肺陰不足の空咳、痰少
⑵養胃生津・清心除煩 胃陰不足の口渇、舌の乾燥、心陰虚の不眠、焦燥
⑶潤腸通便 腸燥便秘
枸杞子 滋陰類
[性味/帰経 ] 平、甘/肝、腎、肺
[働き]⑴滋補肝腎 足腰疼痛無力、遺精、めまい、頭のふらつき
⑵益精明目 白髪、視力減退、眼精疲労、風に当たると涙が出る
⑶潤肺止咳 肺腎陰虚の慢性咳、喘息
生姜 辛温解表類
[性味/帰経 ] 微温、辛/肺、脾
[働き]⑴発汗解表 風寒表証の悪寒、無汗、身体の痛み
⑵温胃止嘔 胃の冷え・痛み、嘔吐、食欲不振
⑶温肺止咳 咳、白痰、喘息
⑷解毒 魚・蟹中毒の時に喉、舌の痺れを取る
緑豆(もやし) 清熱解毒類
[性味/帰経 ] 涼、甘/ 心、胃
[働き]⑴清熱解毒 各種瘡瘍腫毒、食中毒、薬物中毒
⑵清暑利水 煩渇、水腫、消渇
*薬膳素材辞典より
仙人問答
ぺ「あ〜美味しかった、なんか活力が湧いてきた気がするッ。」
仙「ウホホッ早速人参効果が現れたかの⁉︎」
ぺ「はい!今日の薬膳はもちろん『気』を補う薬膳ですね。」
仙「ふむ、しかしそれだけではない、麦門冬や枸杞子も入れてあるので、『陰』を補い乾燥にも良いのじゃ。」
ぺ「人参、黄耆、鶏肉で『気』を強くし、麦門冬や枸杞子で乾燥も防ぐ。」
仙「『肺気』を強くし潤すのでな、コロナ対策にも良い薬膳じゃ。」
ぺ「あ、ほんとだ、」
仙「熱を取り解毒作用のあるモヤシも入れておいたぞ。」
ぺ「コロナももう何がなんだかわからない状態だから、こういう薬膳で免疫力アップしていくしかないですね。」
仙「ふむ、日頃の養生を怠らぬ事じゃ。」
ぺ「はい!」
仙「さて、山々が美しい季節じゃ、ひとまわりしてくるとしよう」
ヒューン