蒸す・干す・保存
ヒューン
ヒュヒューン
仙「おぉ、これは、、」
エッサカ
ホッサカ
ズボッ
仙「採れた、ウホホッ」
ヒュヒューン
ぺ「仙人、おかえりなさい。」
仙「ぺんたんよ、今日はスペシャルな土産があるぞ。」
ぺ「スペシャルな土産⁈」
仙「これじゃ」
ぽん
ぺ「にんじん、、ちょっと太めですね、それに色も良くないし、妙に根っこが長い、」
仙「何を言うておる。これはニンジンはニンジンでもただのニンジンではない、朝鮮人参じゃ!」
ぺ「え⁈これ、、朝鮮人参‼︎」
仙「山で見つけて掘ってきたのじゃ。」
ぺ「凄い、さすが仙人。」
仙「蒸して干しておくのじゃ。中薬として保存するぞ。」
ぺ「あ、はい。」
仙「そうじゃ、ついでにウドも蒸して干しておこう。ウドも朝鮮人参も同じウコギ科の植物じゃ。」
仙「どちらも洗って薄切りじゃ。皮をむいてはならぬぞ。」
ぺ「はい、土をしっかり落として薄切りですね。」
シャッシャッ
シャッシャッ
トントン
トントントン
仙「あとは蒸し器で蒸す。」
ぺ「はい、」
仙「人参は5分ほど、ウドは3分ほどで良いぞ。」
シュッシュッ
シュッシュッ
仙「ようし、蒸し上がったら、ざるに並べて天日干しじゃ。」
ぺ「はい」
サッサッサ
サッサッサ
ぺ「仙人、、乾いてきましたが、、やはりいつもの様にこんなに小さく少しになってしまいました、、人参もウドも2本ずつ干したのに、」
ぽん
仙「よしよし、小さくなってもパワーはアップ!こうして保存しておけば、いつでも取り出して使えるぞ。」
ぺ「はい、、」
ぺ「仙人、人参は薬酒にするのが1番いいのでしょうか、、」
仙「そうじゃのう、薬膳鍋にするも良し、煎じて漢方薬として飲むも良しじゃが、朝鮮人参のような高価な中薬はやはり『薬酒』にするのがお得かも知れんのう。」
ぺ「なるほど、貴重な中薬のエキスをしっかりと抽出し、長く楽しむ、と言うわけですね。」
仙「その通り。高価な中薬ほど薬酒にする事が多いのじゃ。」
朝鮮人参・独活の保存
作り方
- 洗って薄切りにする。
- 蒸し器に水を入れて火にかけ、沸騰したら材料を入れて5分ほど蒸す(独活は3分ほど)。
- 完全に乾燥するまで、数日間天日干しにする。
- 密閉容器に入れて保存する。
使い方
- 薬湯として煎じて飲む。(煎じる前に30分ほど水に浸けておき、30分以上煎じる)
- 酒に漬けて薬酒にする。(下記の『山うど酒』は生うどで作られているので、干したうどの場合は半量以下で良い。)
- その他、人参は薬膳鍋等に、ウドは味噌玉や汁物に。
*『人参酒』
*『山うど酒』
人参(吉林人参、朝鮮人参、遼東人参、遼人参、高麗人参、オタネニンジン) 補気類
[性味/帰経 ] 微温、甘、微苦/肺、 脾
[働き]⑴補気固脱 気虚欲脱の大汗、動悸、めまい、大量出血、嘔吐、下痢
⑵補脾益肺 脾肺気虚の疲れ、自汗、喘息、食欲低下、むくみ
⑶生津止渇 津液不足の口渇、喉の乾燥
⑷安神益智 心神不安、不眠、多夢、心悸、健忘
独活(うど) 祛風湿類(きょふうしつるい)
[性味/帰経 ] 微温、辛、苦/ 肝、腎、膀胱
[働き]⑴祛風除湿止痛 頭の重い痛み、四肢の冷え、むくみ、しびれ
⑵補益肝腎・強筋健骨 腰・足の重い痛み
*薬膳素材辞典より
仙人問答
ぺ「ところで仙人、人参はいろいろ呼び方もあるようですが、、」
仙「そうじゃのう、加工の仕方によって生薬名が変わったりするのじゃ。」
ぺ「へぇ、、」
仙「ふむ、では人参の生薬名を書いておくとしよう」
- 「生晒参(せいさいじん)」:直接日光に晒し干したもの
- 「紅参」:蒸してから干したもの
- 「白参・白糖参」:氷砂糖汁に漬けた後干したもの
- 「参鬚(さんしゅ)」:鬚根や加工の過程で出るクズ品
- 「白参」:日本では周皮を去った生晒参
ぺ「アハハ、赤色が濃い人参が紅参で、白っぽいのが白参かと思ったら全然違う!」
仙「ひっかかってはならぬ、ウハハハ〜」
ぺ「はい、では今回私達が作ったのは『紅参』ですね。」
仙「そうじゃ、生晒参・紅参は効能が大変良い、効き目抜群じゃぞ、ウホホッ」
ぺ「よっしゃ!」
仙「白参は効能がそれよりやや劣り、参鬚は更に劣る」
ぺ「効能まで違ってくるんだ、、」
仙「ふむ、ではこの紅参を使って薬膳を作るとするかな」
ぺ「はい!もちろん❗️」