古くは七種の穀物粥だったそうな
グツグツグツグツ
仙「むかぁし、昔の話じゃ。」
ぺ「え?何がですか?」
仙「七草がゆの話じゃよ。」
ぺ「あぁ、1月7日に頂くお粥の事ですね。」
グツグツグツグツ
ぺ「あれ、仙人、今お粥炊いて見えるのですか?」
パッ
ぺ「ん?七草じゃないですよ、これ、、。」
仙「これ、勝手に蓋を開けてはいかん、、。」
ぺ「え、だって、七草じゃないし、、仙人、ボケてきてないかしら?」
仙「何を言うておるのじゃ、全く、、、、初めからやり直しじゃ。」
ぺ「?」
仙「むかぁし、昔の話じゃ。日本で言うなら、なら時代、、」
ぺ「言うなら、なら時代って、またつまらぬダジャレを、。」
仙「うおっホン、奈良時代じゃ、『七種』と書いて『ななくさ』と読み、七種の穀物の粥を食していたのじゃ。」
ぺ「え?草じゃなかったんですか?」
仙「そうじゃ。『米』『大麦』『小麦』『粟(あわ)』『黍(きび)』『大豆』『小豆』の七種じゃ。」
グツグツグツグツ
チラッ
ぺ「あ、それで、、このお粥、小豆が入ってるんですね。」
仙「平安時代の頃にのう、春を待つという季節感も加わって、今の七草がゆとなったんじゃ。」
ぺ「今流行りの雑穀米、いや雑穀粥だったんですね。」
仙「小豆には邪気を追い払う力があると言われていてのう、正月に小豆を食すると、新しい年が無病息災になると言われておるのじゃ。」
ぺ「無病息災!それは、大事だわ。」
仙「厄払いの意味を込めて、1月15日の小正月には小豆粥を食べるんじゃ。」
グツグツグツグツ
チラッ
ぺ「仙人、はと麦も入ってますよ。」
仙「むくみを改善する薬膳粥にしておいたんじゃ、小豆もはと麦も浮腫みに良いからのう、それに気の巡りを良くする陳皮で、正月太りのむくみ解消じゃ。」
ぺ「そろそろ、できるかなぁ、、」
クルクル
仙「コラッ、かき混ぜてはダメじゃ、粥がベトベトになってしまう。」
ぺ「はい。」
仙「ようし、完成じゃ、小豆とはと麦の粥 。」
ぺ「美味しそう、、。仙人、小豆も茹でたんですか?」
仙「ウハハハハハ、この前ぜんざいを作ったときに、この粥の分を取っておいたのじゃ。」
ぺ「さすが仙人、抜かりない。」
そーっ ずずっ
ぺ「美味しい、、優しい味、、」
仙「ふむ、あったまるしのう、。」
仙「見よ、ぺんたん、邪気が逃げて行くぞ、。」
小豆とはと麦の粥
材料(2人分)
うるち米50g、水500ml、小豆乾30g(茹で60g)、はと麦大さじ1、陳皮少々
作り方
- はと麦は水に浸けて戻しておく。米は洗ってザルに上げておく。
- 小豆を洗い、やや固めに茹でる。茹で小豆を使っても良い。
- 土鍋に分量の水を入れ強火にかけ、沸騰したら米とはと麦を入れ、弱火にして吹きこぼれないように炊く。
- 30分ぐらい炊いたら小豆を入れ、さらに10分ぐらい炊く。
- 炊き上がったら陳皮を入れて蒸らす。
*小豆を茹でて、そのままその茹で汁で粥を作る場合は、小豆が固めに茹だったところで分量の水になるように水を足し、沸騰させてから米とはと麦を入れて、そのまま一緒に炊く。
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補中益気・健脾和胃 脾気虚の疲れ、食欲不振、むくみ、下痢
⑵除煩止渇 精神不安、イライラ、口渇
小豆 利水滲湿類
[性味/帰経 ] 平、甘、酸/ 心、小腸
[働き]⑴利尿除湿 むくみ、胃もたれ、下痢
⑵解毒排膿 瘡瘍熱腫
薏苡仁(よくいにん、はと麦) 利水滲湿類
[性味/帰経 ] 微寒、甘、淡/ 肺、脾、胃
[働き]⑴利水滲湿 むくみ、下痢、かっけ、四肢痙攣
⑵健脾補肺 咳、痰多、胸の痛み、食欲減少
⑶清熱排毒 皮膚の化膿症
橘皮(きっぴ)陳皮、橘紅(きっこう) 理気類
[性味/帰経 ] 温、辛、苦/脾、肺
⑵燥湿化痰 胸苦しい、咳、多痰、喘息
仙人問答
ぺ「仙人、、お正月にばっちゃんの家に遊びに行ったんですけどね、、。」
仙「おぉそうか、ばっちゃんは元気じゃったか?」
ぺ「それが、痴呆が一気に進んでしまっていて、、。」
仙「そうか、それは心配じゃのう、。薬膳を作ってあげたのかのう?」
ぺ「はい、お粥も作ったんですけどねぇ、、、。」
仙「どうしたんじゃ、食が細くなって食べれんかったのか?」
ぺ「いえ、逆です。 仙人、、ぺんたん初めて見ました。」
仙「何をじゃ?」
ぺ「お粥の一気飲み。」
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*ワークショップのお知らせ