ヨモギも一緒に春色天ぷら
ホーホケキョ ケキョケキョ
仙「今日もポカポカ暖かいのう。どれ、散歩にでも行くとするか。」
ぺ「はい、。」
ササッ ササッ
トコトコ トコトコ
仙「何じゃ、ぺんたん、良い天気だと言うのにあまり元気がないのう。」
ぺ「え、ちょっと、。」
仙「おぉ、ヨモギの若芽が綺麗じゃ、、。摘んでいくとするか、、。」
ツムツム
仙「やや、つくしも顔を出しておるのう。」
ツムツム ツムツム
ぺ「・・・」
仙「今日の薬膳はヨモギを使うとするか、。」
ぺ「はい。」
仙「そうじゃ、駿河湾でとれた桜えびもあるから、これで、春色天ぷらじゃ。」
ぺ「はい。」
ササッ ササッ
トコトコ トコトコ
トントン
ぺ「仙人、海老って老化防止になりますか?」
仙「ふむ、腎に帰経するから老化防止に役立つ食薬じゃ。特に桜えびはカルシウムが豊富じゃから骨粗鬆症予防に良いな。」
ぺ「確か、、海老や蟹の殻には血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあったんですよね。」
仙「そうじゃ、桜えびは殻ごと食べるので、コレステロール対策もバッチリと言う訳じゃ。」
ぺ「やっぱり、、。ではヨモギって老化防止になりますか?」
仙「ヨモギも腎肝に帰経し、薬膳学では『艾葉(がいよう)』と言って、止血薬にあたる。体を温めるのに良い食薬じゃ、女性の生理痛などに良いな。」
ぺ「そうなんですか、。」
仙「ヨモギはお灸に使うもぐさの原料じゃ。韓国ではヨモギ蒸しといった健康法もあるしのう。」
ぺ「あ、そうですね。」
仙「しかし、ヨモギは辛味も強いので、多食してはならぬ、陰液を消耗しやすくなるのじゃ。」
ぺ「はい、多食と言っても、、生ヨモギが食べられるのはこの時期だけですしね。」
仙「ふむ、桜えびもヨモギも体を温める食薬、花冷えの頃にはおすすめじゃ、香りも良いしのう。」
トントン
ぺ「揚げ物にはグレープシードオイルを使いますね。」
仙「ほぉそうか。」
ぺ「オリーブオイルだと食材に香りが移ってしまって、折角のヨモギの香りが消えてしまいます。グレープシードオイルは無味無臭で酸化しにくいので、揚げ物には良いかと思って、、。」
仙「食材の香りは大事じゃからのう。」
くるくる 混ぜ混ぜ
ぺ「桜エビを揚げる時は、溶き衣にえびを入れるのではなく、えびに天ぷら粉を直接入れ、そのまま混ぜて揚げた方が、衣だらけにならず 、あっさりと揚がるんです。」
仙「ほぉ、よく知っておるのう。」
ぺ「はい、以前、由比に行った時に現地の方に教えて頂きました。えびや三つ葉から水分が出るので、その水分で調節しながら混ぜて、足らなければ少し水を足す程度がいいみたいです。」
ジュワ〜〜
ぺ「はい、出来上がり、桜えびとよもぎの天ぷら です。」
仙「揚げたてを、、。」
パクッ
仙「おぉ美味い、桜えびの甘味と鹹味が、。」
パクッ
ぺ「ほんと美味しい、やっぱり桜えびはかき揚げが1番美味しい、、。」
仙「よもぎも良い香りじゃ。」
ぺ「はい、春の香りですねー。」
桜えびとヨモギの天ぷら
材料(2人分)
桜えび(釜揚げ、生でも可)50g、三つ葉5g、生ヨモギ8g、
天ぷら粉(小麦粉)、グレープシードオイル、塩少々
作り方
- 三つ葉は1cmに切る。ヨモギは洗って水気を切る。
- 桜えびはさっと洗って水気を軽く切り、ボウルに入れる。
- 2のボウルに三つ葉を入れ、天ぷら粉を大さじ1ほどいれ混ぜる。
- 天ぷら粉と水を様子を見て少しづつ足す。衣は薄め、少なめにして揚げる。
- 生ヨモギは水溶きした天ぷら粉につけて、油で揚げる。
- お好みで塩をつけて頂く。
桜えび 助陽類
[性味/帰経 ] 温、甘、鹹/肝、腎、胃
[働き]⑴補腎壮陽 勃起不全、腰膝軟、骨痛、冷え
⑵温陽開胃 胃痛、食欲不振、痰
三葉(みつば) 辛温解表類
[性味/帰経 ] 温、辛
[働き]⑴袪風止咳 かぜ、咳、喘息、膿痰、黄痰
⑵活血化瘀解毒散寒通腸 皮膚のかゆみ、怪我、瘡瘍腫毒、歯痛
艾葉(がいよう、ヨモギ) 止血類
[性味/帰経 ] 温、辛、苦/肝、脾、腎
[働き]⑴温経止血 虚寒性出血、生理時の出血、血便、痔、腹痛、生理痛
仙人問答
仙「ところでぺんたん、今日はやたら、老化予防にこだわっておったな。」
ぺ「はい、この前会ったケアマネージャーさんが、里の方達の認知症の事で悩んでみえたので、。」
仙「ふむ、認知症か、、。」
ぺ「はい、お友達が皆さん認知症の疑いがあると言う事で、、とてもショックを受けてみえました。」
仙「それで老化予防の薬膳と言う訳か、。」
ぺ「はい、里の方達の老化予防も必要ですね。」
仙「そうじゃのう、加齢に関係するのはやはり腎、腎ウォーターじゃ。」
ぺ「ある程度年齢が行ったら、常に腎を意識しないと、ですね。」
仙「ふむ、人生、腎に始まり腎で終わる、じゃ。」
ぺ「はぁ、まさに腎生かぁ、、。」