臓腑を増強して、気力アップじゃ!
ざわざわ ガヤガヤ
里の人々「ほんと、このじゃが芋、シャキシャキで美味しいですよ。」
里の人々「うん、うまい。」
里の人々「仙人さんよ、これが補気ッチャえ!ですな。」
パクパク
仙「そうじゃ、そうじゃ、」
里の子供達「シャキシャキ、1本ずつ食べよー。」
里の子供達「1本ずつ食べよー。」
シャキシャキ シャキシャキ
仙「よしよし、もう直ぐ入学式じゃのう、。」
里の新人君「赴任したばかりですので、補気ッチャえ!と言われても、さっぱり分かりません。」
里の新人ちゃん「・・・」
仙「ウハハハハ、そうよのう、じゃが心配無用じゃ。じきに、あ、ほれ、到着じゃ。」
ブッブー
キーッ
バタン
仙「おぉ、ぺんたん、ご苦労じゃったのう。」
ぺ「はい、仙人、とりあえず今手元に有った補気類の食薬を持って来ました。」
仙「皆、これが補気類の食薬じゃ。」
【 補気類の食薬 】
里の人々「まあ、見慣れた食材だね〜。」
里の人々「わしらが作っておるものばかりだ。」
ジロジロ
里の新人君「補気類、、。」
里の新人ちゃん「・・・」
里の子供達「このシワシワの赤い実、なあに?」
ぺ「あ、これは大棗(たいそう)、なつめとも言うのよ。」
里の子供達「 シワシワー、バアちゃんみたいー。」
仙「補気類と言うのは、字の通り、気を補う食薬じゃ。臓腑の気を補って、疲労回復、気力アップじゃ。」
里の新人君「気?」
里の新人ちゃん「・・・」
仙「気とは目には見えぬもの、つまり陽じゃ。」
ぺ「陰陽の陽です。」
仙「陽を補うと言うことは、つまり補気類の食薬には体を冷やす食材は無い、と言う事じゃ。」
里の新人君「あの、何ですか、体を冷やすって、。」
ぺ「はい、食材には、寒性、涼性、平性、温性、熱性、と言う五気があるのです。」
里の新人君「五気、、」
仙「ふむ、その五気の平性か温性の食薬なんじゃよ、補気類は。」
ぺ「はい、ここにまとめておきましたので、皆さん、これを参考にして補気って見てください。」
仙「冷え性の人は、温性の補気類を食べると良いぞ。」
ぺ「はい、お配りしまーす。」
里の人々「はい、ありがとうねぇ。」
里の人々「ウチのかあちゃんに渡しておくからよ。」
里の新人君「資料ですか、有難いです。」
里の新人ちゃん「・・・」
仙「同じ補気類でも、動物性のものは補気力が強いのじゃ。動物性と植物性と、上手にバランスさせてな。」
里の人々「里の寄合所にも貼っておこう。」
【 補気類 食薬 】
- うるち米・もち米・オートミール
- 長芋・じゃが芋・さつま芋・かぼちゃ
- キャベツ・カリフラワー・ブロッコリー
- インゲン・十六ささげ・干し椎茸
- 栗・桃・なつめ・蜂蜜
- 鶏肉・鳩肉・牛肉・うずら肉
- 豚の胃袋・豚まめ(豚の腎臓)・豚の骨
- うなぎ・ドジョウ・ナマズ
- 鯖・太刀魚・マナガツオ・スズキ・イシモチ
- イワシ・カツオ・たら・サメ
《 温性 》
- もち米・かぼちゃ・大棗(なつめ)・栗・桃
- 豚の胃袋・うなぎ・太刀魚・ナマズ・イワシ
《 微温性 》
- 鶏肉・スズキ・たら
【 補気類 中薬 】
《 温性 》
- 大棗・飴糖
《 微温性 》
- 人参・黄耆
仙人問答
ぺ「仙人、皆さん、今日の資料を参考に色々補気って下さると良いですね。」
仙「そうじゃのう、身近な食材でもまた見る目が違って来るじゃろう。」
ぺ「肉類では、鶏肉と牛肉は補気ですが、豚肉は滋陰類でしたよね。」
仙「ふむ。」
ぺ「なのに豚の胃袋、まめ(腎臓)、骨は補気類なんですね。同じ豚でも部位によって違って来るなんて、。」
仙「そうじゃのう、豚の腎臓や骨は、人の腎によいのじゃ。」
ぺ「腎臓は腎に効く、、と言う事は、、。」
仙「ウハハハハ、気がついたか?豚のハツ(心臓)は、人の心に良いのじゃ。」
ぺ「なるほど、、納得。」