大根とこんにゃくでサッパリしましょ
ズボッ
ごそっ
ヒュヒューーン
仙「ぺんたんよ、今日の収穫は大根じゃ。」
バタバタ
ぺ「わ、大きな大根、、。」
仙「ウハハハハ~、美味そうじゃろ。」
ぺ「はい、。冬には欠かせないですねー、大根、、とろとろっと煮込んで、、。」
仙「そうじゃ、とろとろっと煮込んで、どろどろっを排出じゃあ。」
ぺ「冬の体内どろどろ大掃除! ですね。」
仙「ふむふむ、、大掃除の為の助っ人は、こんにゃく、そしてみかん🍊」
ぺ「こんにゃく、と、、みかん?、、これを大根とどうやって料理するんですか?」
仙「もちろん、、おでんじゃ。冬は大根、大根はおでん、、。」
ぺ「おでん、、おでんに大根とこんにゃくは入れますけど、、みかんは、、???」
仙「みかんも入れるのじゃ、、。大根とこんにゃくのみかんおでん。」
ぺ「え?みかんおでん???」
トントン
トントン
仙「先ずは大根とこんにゃくをしっかり煮込むのじゃ。」
グツグツ
グツグツ
仙「大根は涼性、こんにゃくは寒性で体を冷やすからのう、しっかりと煮込んでその涼性・寒性を緩和させるのじゃ。」
ぺ「はい。」
仙「そして、大根が良く煮えてきたところで、生姜とみかんを投入じゃ。」
ぽん
ぽん
ぺ「わ、なんか面白い、楽しい~、、」
仙「そして大根がみかん色に染まるまで更に煮込むのじゃ。」
グツグツ
グツグツ
パッパ
仙「完成、大根とこんにゃくのみかんおでん🍊」
ぺ「さて、、気になるお味、、。」
パクッ
ぺ「あ、アツッ、、。」
ふーふー
ぺ「うわ、、ほんと、、大根が、、みかん味、、。」
仙「12月になれば、忘年会やらで、飲んだり食べたり、、暴飲暴食をしやすい時期じゃ。そんな時こそ、このみかんおでん。」
ぺ「なるほど、、暴飲暴食で溜まった湿や、、その湿が熱で煮詰まって出来る汚いドロドロを退治するんですね。」
仙「そうじゃ、痰湿体質の人はもちろんの事、高血圧、糖尿病の人にも良いぞ。」
ぺ「ドロドロ退治の為のおでん、ですから、練り物は入れない方が良いですよね?」
仙「もちろんじゃ、消化を促進する大根、湿熱をとり便通を良くするこんにゃく、そして巡りを良くするみかん、これだけじゃ。」
ぺ「はい!」
大根とこんにゃくのみかんおでん
【立法: 行気消痰 】
材料(4人分)
大根600g、こんにゃく1丁、みかん2個
作り方
- 土鍋に分量の水を入れ、だし昆布を1㎝幅に切って浸けておく。
- 大根は皮をむき、乱切りにする。生姜は粗みじん切りにする。
- こんにゃくは食べ易い大きさに切り、切り込みを入れておく。(アク抜きが必要な場合は熱湯で2、3分茹で、アク抜きしておく。)
- 1の鍋に醤油、大根、こんにゃくを入れ火にかけ、沸騰したら弱火にして30~40分煮る。(蓋をする)
- 大根が柔らかくなってきたら、生姜と半分に切ったみかんを入れ、さらに30分以上煮込む。
- 大根にみかんの色がついてきたら、最後に少量の塩麹と花椒を入れて、出来上がり。
大根 消食類
[性味/帰経 ] 涼、辛、甘/肺、胃
[働き]⑴順気消食・下気寛中 食積脹満、嘔吐、吐き気、下痢、便秘
⑵清化熱痰 肺熱咳、痰多、痰黄、声がれ
⑶散瘀止血 喀血、吐血、鼻血
魔芋(こんにゃくいも) 清熱瀉火類
[性味/帰経 ] 寒、甘、辛/ 脾、肺、胃、大腸
[働き]⑴清熱通便 消渇、便秘
⑵消腫解毒散結 皮膚腫毒、瘡瘍
蜜柑 理気類
[性味/帰経 ] 温、甘、酸/肺、脾
[働き]⑴理気健胃 胸腹脹満、嘔吐、食欲不振
⑵止渇潤肺・燥湿化痰 口渇、咳、痰多、下痢
仙人問答
ぺ「仙人、とろとろ煮込んでいて思い出したんですけど、、。」
仙「なんじゃ?」
ぺ「仙人は『薬膳 重ね煮』というものをご存知ですか?」
仙「薬膳 重ね煮? 聞いた事はないのう、。」
ぺ「やはり、、そうですか、、。」
仙「それは、なんじゃ?」
ぺ「はい、実は、、『薬膳に興味があります!薬膳の勉強をしたいです!』と言ってこのブログの読者になって下さったemi-sk さんが、薬膳教室に行って見えてその記事をアップされてるんですが、、その中に『薬膳 重ね煮』という薬膳が出てくるんです。」
仙「ほぉ、、それは一体どんな薬膳じゃ?」
ぺ「はい、詳しくはemi-skさんのブログをご覧になって頂きたいのですが、、簡単に説明すると、鍋に海藻や葉菜、根菜、穀物、魚介類を重ねて入れ、塩と誘い水で蒸し煮の様にして作るものの様です。」
仙「ふむ、、。」
ぺ「そしてその重ね煮をお味噌汁や、ハンバーグなどの具にする、、みたいなかんじです。」
仙「ふむむむ、、。」
ぺ「重ね煮の重ね方に規則があって、、陰性の食材を火に近い方、つまり鍋底、そして陽性の食材を火から遠い上の方に重ねる、、と、。」
仙「体を温めるものを『陽』、冷やすものを『陰』として、つまり寒性や涼性の食材を下に、温性や熱性の食材を上に入れるという訳じゃな。」
ぺ「はい、でも、、emi-skさんの食べられた重ね煮をみてみると、鍋底から塩→えのき→玉ねぎ→にんじん→塩なんです、。」
仙「それはおかしいじゃろ。」
ぺ「はい、、。陰のものを下に入れる、、と最もらしく陰陽が使われていますが、、このレシピをみると、玉ねぎがにんじんより下になっていて、、変なんです。」
仙「そうじゃ、えのきは平性、玉ねぎは温性、にんじんは平性(微温)じゃからのう。えのき→にんじん→玉ねぎの順になるはずじゃ。」
ぺ「はい、。」
仙「なんだかピンとこんのう、。」
ぺ「はい、それでネットで他の薬膳重ね煮のページも検索してみたんですけど、、やはり同じようなかんじで、、根菜とか葉菜とかで分類されていて、、もうおかしな話なんですよ。」
仙「そうじゃのう、、そもそも薬膳には根菜、葉菜、魚介類、、と言った分類の仕方はないからのう。」
ぺ「そうなんです、根菜だって色々で、今日使った大根は涼性、こんにゃくは寒性、レンコンも寒性、ごぼうも寒性、。それなのに根菜をひとまとめにしてしまって、しかも全て『陽』扱いになっているんです。」
仙「それは、、困った事じゃのう、。」
ぺ「はい、。とにかく今まで薬膳の勉強をしてきて、こんなものは聞いた事も見たこともなかったので、、それで、心配になって私の薬膳学校の先生に問い合わせてみました。」
仙「ほぉ、、それで先生はなんと?」
ぺ「はい、先生もやはり、、初めて聞きました、と、。そして、、
『「薬膳」自体はもともと「中医学」の理論や中華料理の内容に従って発展したものですので、もともとは「薬膳 重ね煮」という料理は存在しませんでした。
近年は「薬膳」という言葉が広く普及し、またさまざまな学校などでも教えており、いわゆる当校で学ぶ「本格的な薬膳」ではない場合も増えてきました。そんな中で独自で学習した方が創作することも多いですので、当校で学んだ皆様は、「この料理は中医薬膳学の理論に適合しているか」と厳しい目で判断していけるようになると良いですね。』
と、お返事を頂きました。」
仙「おぉ、さすが先生じゃ。」
ぺ「という事でemi-skさん、中医薬膳学には『根菜、葉菜、魚介類、、』と言った分類方法は無く、根菜=陽と言った考え方もありません。薬膳学の分類方法は栄養学とは全くの別物です、そしてこの分類は薬膳を作る上で大変重要なものです。詳しくは下記のページをご覧下さい。emi-skさんが薬膳をお勉強したい、将来資格もとりたい!と言って見えましたので、誤って覚えてはいけないと思い解説させて頂きました。」(^^)
*「中医薬膳学・食薬の分類」はこちら
*「体を温める食薬・冷やす食薬」はこちら
*「陰陽」のお話はこちら
*emi-skさんのブログはこちら
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