胃の冷えからくるシャックリに
ヒック
ヒヒック
ぺ「やだ、、しゃっくりが全然止まらない」
ヒュヒューン
仙「ぺんたん、、今日も山々は紅葉が美しかったぞ」
ヒック
ぺ「ヒ、、そうですか、、ヒック」
仙「なんじゃ、しゃっくりか、、」
ぺ「そうなんです、、、止まったかなって思うとまた出て、、ヒック」
仙「ウホホッ、そんな時はこれじゃ!」
ぽん
ぺ「⁇これは⁇」
仙「柿のヘタじゃ。」
ぺ「柿のヘタ?」
仙「柿酢を作った時に、放っておいたじゃろ。あれを干しておいたのじゃ。」
ぺ「あ、それで、、捨てようと思ったら見当たらなくなってて、ヒック」
仙「柿のヘタは『柿蒂(してい)』と言う中薬じゃ。これはシャックリに効くのじゃぞ」
ぺ「柿のヘタが中薬⁉︎」
仙「ふむ、では今日はこれで『柿蒂湯』という漢方薬を煎じるとしよう」
ぺ「柿蒂湯、、」
仙「柿の蔕に、丁香と生姜を入れて煎じるのじゃ」
![[f:id:hatenablog:20170217161727j:plain:title=:alt=]](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/senninlife/20221118/20221118161415.jpg)
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コトコト
コトコト
コトコト
コトコト
コトコト
コトコト
仙「しっかり煎じて完成『柿蒂湯』じゃ」
ぽん
ぺ「飲んでみます」
ゴクリ
ぺ「うわっ、結構強い、、」
仙「ウハハハ、漢方薬じゃからのう」
ゴク
ゴクリ
ぺ「やっぱり普通の薬膳茶とはちょっと違いますね」
仙「冷えてシャックリがよく出る、しかも『気虚』、という場合はこれに『人参(吉林人参)』を加えると良いのじゃぞ」
ぺ「へぇ、、」
ゴクリ
ゴクリ
柿蒂湯(していとう)
《 立法: 降気止呃 》
材料
- 柿のヘタ9g(柿蒂)
- 丁香6g
- 生姜6g
- 水600cc
作り方
- 柿のヘタは洗って天日干ししておく
- 土鍋に分量の水と、細かくした柿のヘタ、丁香、薄切り生姜を入れて蓋をし、火にかける
- 沸騰したら弱火にし、40~50分煎じる。
- 蒸らしてから濾す。
- 温めて飲む。
柿蒂(してい) 行気薬
[性味/帰経 ] 平(微温)、苦、渋/胃
[働き]⑴降気止涼 胃の冷えによるシャックリ
丁香(丁子) 温裏類
[性味/帰経 ] 温、辛、甘/脾、胃、腎、肺
[働き]⑴温中降逆 冷えの脘腹疼痛、嘔吐、吐き気、ゲップ、食欲不振
⑵温腎助陽 勃起不全、生理不順
⑶散寒止痛 冷えの胃痛、腹痛
生姜 辛温解表類
[性味/帰経 ] 微温、辛/肺、脾
[働き]⑴発汗解表 風寒表証の悪寒、無汗、身体の痛み
⑵温胃止嘔 胃の冷え・痛み、嘔吐、食欲不振
⑶温肺止咳 咳、白痰、喘息
⑷解毒 魚・蟹中毒の時に喉、舌の痺れを取る
*参考
柿霜(しそう)干し柿の表面にできる白霜
[性味/帰経 ] 涼、甘/肺・胃
[働き]甘涼清潤・清熱生津・潤肺止咳 喉痛み、口内炎、肺熱燥咳、肺癆喀血
柿 止咳平喘類(しがいへいぜんるい)
[性味/帰経 ] 寒、甘、渋/心、肺、大腸
[働き]⑴清熱潤肺 肺熱の咳、喀血、便秘
⑵生津止渇 胃熱傷陰、口渇、口内炎
⑶解酒熱毒 二日酔い、酒の飲み過ぎ
仙人問答
仙「今日の漢方薬は、脾胃の冷えからくるシャックリに良いのじゃ、全てのシャックリではないぞ。」
ぺ「脾胃の冷え、、、薬草園でずっと作業していたので、冷えたのかなぁ」
仙「寒邪が脾胃に入ってくると脾胃の働きを邪魔するのでな、これからの季節は要注意じゃ。」
ぺ「はい、、」
仙「ぺんたんよ、脾気と胃気はどの様に動くか覚えておるか?」
ぺ「はい!『脾気は上昇で正常、胃気は下降で正常』です。」
仙「そうじゃ、シャックリやゲップ、嘔吐といった症状は胃気が正常に下降せず、上逆しておこるものなのじゃ。」
ぺ「肺気が上逆すると咳になり、胃気が上逆するとシャックリやゲップ、嘔吐に、」
仙「寒邪が脾胃の働きを阻滞して、脾は上昇できず胃は下降できず、という訳じゃ。」
ぺ「その冷えから来るシャックリに良いのが柿のヘタ、、」
仙「ふむ、柿蒂は逆気をおろしてくれるのでな、シャックリや嘔吐に良いのじゃ」
ぺ「それに丁香と生姜、」
仙「丁香は胃を温め逆気を降ろす、生姜も胃を温め寒邪を散らし止嘔に働く」
ぺ「おぉ、それぞれのパワーが、、それにしても柿ってすごいですね、ヘタにまでこんなパワーが!」
仙「ウホホッ、ぺんたんよ、干し柿、知っておるじゃろ?」
ぺ「もちろんです!」
仙「あの干し柿の表面の白い粉、、あれは『柿霜(しそう)』と言ってな熱をとってくれる。喉の痛みや口内炎、肺熱に良いのじゃぞ」
ぺ「干し柿の表面の霜は肺の熱を取る!それでコロナが流行り出した頃に『干し柿が良いらしい』なんて噂が流れてたんですね。」
仙「ふむ、そんな事もあったようじゃのう。」
ぺ「柿パワーをまとめてみると、」
仙「『柿が赤くなると医者が青くなる』とはよく言ったもんじゃ。ただし、カニやさつまいも、じゃがいもとは相性が良くないのでな気をつけることじゃ。生姜や豚肉、大豆との組み合わせがおすすめじゃ。」
ぺ「はい。あ!そう言えば、、いつの間にシャックリ止まってる、、柿蒂パワーお見事!」
仙「ヘタは上手に使う、、ウハハハハハーッ!」
*「臓腑の気の流れ」について
*「柿のデザートソース」
*二日酔い予防の薬膳「柿と白菜の浅漬け」