鰆(さわら)を使って
ホーホケキョ ケキョ ケキョ
ぺ「あ、ウグイス、、」
仙「春じゃのう、、。」
ぺ「そうだ、仙人、魚の春、と書くサワラを使って薬膳を作りましょう。」
仙「それは良い考えじゃ。蕗の薹がまだいくつか顔を出しておるので、それを一緒に使うと良いぞ。」
ぺ「はい。」
トントン
サッサ サッサ
くるくる 混ぜ混ぜ
コトコト
ほわぁ〜〜〜ん
ぺ「出来ました、鰆の蕗味噌仕立て です。」
ほわわぁわぁ〜〜〜ん
仙「おぉ、蕗の薹の良い香りじゃ。」
ぱくっ パクパク
仙「うまい、蕗の薹の苦味がなんとも言えんのう。」
ぺ「あー、ほんと、春を感じる味ですねぇ。」
仙「苦味の効能を覚えておるか?」
ぺ「はい、えーっと、確か解毒、通便、、。」
仙「そうじゃ、苦味には熱をとって毒素を出し、便の通じを良くする効能があるのでな、体の中の悪いものを出してくれるのじゃ。」
ぺ「デトックス、ですね。」
仙「水菜にも同様の働きがあるんじゃ。」
ぺ「サワラで気を補いながら脾胃の調子を整え、体の中の毒素を出す、という訳ですね。」
仙「ふむ、えんどうは気の巡りを良くするので、一緒に使うと効果的じゃ。」
ぺ「補気って、理気って、毒素にバイバイ、、。」
仙「ほぉ、、。」
ぺ「ハッ、しまった!『補気って』を使ってしまった、、。」
鰆の蕗味噌仕立て
材料(2人分)
鰆2切れ、水菜100g、さやえんどう6本、舞茸1/2パック、だし昆布2g、日本酒大さじ6(3×2人分)
蕗味噌:蕗の薹2個、西京味噌大さじ1.5、みりん大さじ1
作り方
- 土鍋に日本酒とだし昆布を入れておく。
- さやえんどうはスジを取り、舞茸はほぐし、水菜は10cmに切る。
- 鍋に水菜、鰆、舞茸を入れ、蓋をして5〜6分蒸す。
- 蕗の薹を洗って細かく切り、西京味噌、みりんと合わせる。
- 3が蒸しあがったら、さやえんどうと蕗味噌を入れ蓋をして1、2分蒸し、火を止め蒸らす。
鰆(さわら) 補気類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補気益胃 体力不足
水菜 清熱瀉火類
[働き]⑴清熱解毒・瀉下通便 熱病、煩熱、熱性便秘
⑵滋陰潤燥 陰虚の消渇、皮膚の乾燥
舞茸 補気類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補気益胃 脾胃気虚の食欲不振、胃痛、げっぷ、嘔吐
⑵托痘止血 風疹の発疹不暢、不正出血、血便、ガンの出血
さやえんどう 理気類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[働き]⑴健脾益気、健胃利湿 食欲不振、嘔吐、下痢
⑵解毒利水 水虫、吹き出物、外傷腫毒
⑶生津通乳 産後乳汁不下
蕗の薹
[性味/帰経 ] 寒、苦/ 肺、大腸、肝
[働き]⑴咳、痰、便秘
⑵血行不良、胃腸の不調、毒素排出
*蕗の薹はフキノトキシン(発ガン物質)含有のため、多食・常食は不適
仙人問答
ぺ「あー、今日も美味しい薬膳でお腹いっぱ〜い。」
仙「ふむ、それは良いが、ぺんたんよ、その服はなんじゃ?」
ぺ「え、あ、これですか、。仙人が『春はゆったりとした服を〜』と仰ったので、ゆるゆるの服にしてみました。」
仙「嫌な予感がするのう、、。」
ぺ「大丈夫ですよ、食べ過ぎないよう、気をつけますからっ。」
仙「では、散歩でもするかのう。」
ぺ「あ、それが良いですね。」
トコトコ トコトコ