うるち米、糯米を使って
そよそよ
はらはら
ぺ「もうすっかり秋の風ねぇ〜、少し涼しくなって来た、、。何か温かいものが食べたいなぁ〜。」
ヒョコッ
仙「それなら、栗を使うと良いぞ。」
ぺ「うわっ、仙人、びっくりしたぁこ、、こんな現れ方しないでくださいよー。」
仙「ウホホッ、栗を拾って来たのでのう。」
イガイガ
ぺ「わぁ、栗大好き!栗ご飯、栗きんとん、、。う〜、、何にしようかなぁ?」
仙「温かい栗のお粥は如何かな?」
ぺ「栗のお粥?」
仙「そうじゃ、明日は旧暦の重陽(ちょうよう)の節句じゃからのう。」
仙「ふむ、重陽の節句には菊酒と一緒に栗ご飯を頂いたりするのじゃが、以前『黒米の栗ご飯』を作ったから、今年は栗粥じゃ。」
ぺ「はーい。」
仙「うるち米と糯米を半分ずつの割合にして、お祝い事じゃから、赤米も少々混ぜて、、それに栗と舞茸を入れて炊くのじゃ。」
コトコト
コトコト
仙「それに、、ほれ、菊花酒も完成しておるぞ。」
ぽん
「菊花酒」
ぺ「わーー、綺麗、、。」
グビっ
ぺ「あー、菊の香りが、、。それに、菊の苦みも、美味しい〜。」
グビグビ
仙「さぁ、焼き鮭フレークをかけて、完成じゃ。栗と舞茸のお粥 。」
ぱらぱらっ
ぺ「わ、最後に焼き鮭フレークをかけるんですネ、美味しそう。」
仙「もちろん、鮭を焼いてのせても良いが、今日はお手軽バージョンじゃ。」
ぺ「では、いっただきまーす。」
ずずっ
パクッ
ぺ「んん、、美味しい、。鮭の塩加減と、栗の甘さ、、品の良いお味です。」
仙「栗は体を温める、鮭も体を温める、そして糯米も体を温める、、。脾を整え、胃を温め、腎を補う。秋冬に良い薬膳じゃ。」
ぺ「はい、体への優しさが伝わってきます。」
仙「栗と舞茸のお粥、そして菊花酒で、『重陽の節句』のお祝いじゃ。」
グビーッ
栗と舞茸のお粥
【立法: 補脾温胃 】
材料(2人分)
うるち米1/4合、糯米1/4合、(お好みで赤米少々)
生栗4個、舞茸1/2パック、水5カップ
焼き鮭フレーク大さじ1(焼き鮭を入れればなお良い)
作り方
- うるち米、糯米、赤米をといで、分量の水に漬けておく。
- 栗の皮をむき、半分に切る。舞茸はほぐす。
- 土鍋に1、2を入れて火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、30分ほど炊き、火を止め蒸らす。
- 器に盛り、焼き鮭フレークをかける。
*「菊花酒の作り方」はこちら
栗 補気類
[性味/帰経 ] 温、甘/ 脾、胃、腎
[働き]⑴補脾止瀉 脾気虚弱の食少、疲れ、腹部冷痛、下痢
⑵補腎強筋 腎気虚による足腰のだるさ、咳、喘息、頻尿 、夜尿
⑶活血止血 鼻血、吐血、血便などの出血
舞茸(きのこ) 補気類
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃
[働き]⑴補中益気・健脾和胃 脾気虚の疲れ、食欲不振、むくみ、下痢
⑵除煩止渇 精神不安、イライラ、口渇
糯米(もち米) 補気類
[性味/帰経 ] 温、甘/ 脾、胃、肺
[働き]⑴補中益気・健脾止瀉 脾胃虚弱の疲労、食少、めまい、下痢、頻尿
⑵固表止汗 肺気虚の自汗、風邪を引きやすい
鮭 温裏類
[性味/帰経 ] 温、甘/ 脾、胃
[働き]⑴健脾温胃和中 胃痛、食欲不振、腹部の冷え
⑵補益気血 疲れ、めまい、むくみ、下痢
*「黒米栗ご飯」はこちら
*「陳皮入り 栗と蓮子のご飯」はこちら
仙人問答
ぺ「ところで仙人、、どうして旧暦の9月9日を『重陽の節句』って言うんですか?」
ぺ「はぁ、また五、なのですね、五行、五色、五季、なんでも五、。セバスチャン・ベッテルのナンバーも5。」
仙「1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、そして9月9日、じゃ。」
ぺ「見覚えのあるものがたくさん、。」
仙「1月7日は七草の節句、3月3日は桃の節句、5月5日は菖蒲の節句、7月7日は笹の節句、そして9月9日は菊の節句じゃ。」
ぺ「菊の節句以外は、有名なものばかり、、でも菊の節句は、あまり重要視されてませんね。」
仙「ふむ、旧暦の9月9日は新暦で言えば10月の半ばごろで、菊の美しい季節なんじゃ。しかし新暦に変わって季節感が違ってきてしまい、、廃れていったようじゃのう。」
ぺ「へぇ、、そういう事なんだぁ、。」
仙「古来、奇数は縁起の良い『陽』、偶数は縁起の悪い『陰』と考えられておってな、その縁起の良い奇数が連なる日を節句としたのじゃが、その中でも1番大きな『陽』が重なる9月9日を『重陽の節句』としたのじゃ。」
ぺ「なるほど、、陽が重なる、、で重陽。」
仙「不老長寿を願う『重陽の節句』、薬膳にはぴったりじゃろ、。」
ぺ「はい、『菊花酒』も美味しいし、栗のお粥も美味しくて、しかっり養生できました!」
グビっ