ざぁーざぁー7月
皆さま、こんにちは、ぺんたんです。
6月のお誕生日にプレゼントして貰った日傘の出番が・・・
ない!
今までは折り畳みの日傘を使っていたのだけれど
どうにも風に弱くて、次から次へとポキポキ折れる
なので今度は折り畳みではないショートタイプの日傘を
もちろん、晴雨兼用なんだけれど
今月の雨はそんな程度の量ではないので
ラベンダー色の日傘は玄関にポツンと放置されたまま
やはり、雨女の私には不似合いなものなのかしら・・・
小麦(しょうばく)
朝、出勤前に夕食の準備をしていたら、ラジオから、なにやら面白そうな会話が聞こえてくる。
料理をしていると、音楽とかラジオとかは、途切れ途切れにしか聞こえてこないので、必死に耳を傾けていると、
「古代メシ」とか「エンマー小麦」とか「古代のビール」とか、、気になる気になる。
「エンマー小麦って何?」と思いながら、ま、いいや後で検索しようっ、と思いながら家事を済ませ、家を出る。
便利な時代ですね、聞き逃したって、ちゃんとレシピに辿りつけるんですから。
後日、検索してレシピを入手し、スペルト小麦を入手し、レシピ通りに作ってみました『古代小麦パン』
普通の薄力粉やセモリナ粉も使っているし、ビールも現代のものですから、完全な古代パンの再現にはほど遠いとは思われますが、『古代パンもどき』を味わって、ひととき、メソポタミアに想いを馳せてみるのも楽しいものです。
調べてみると、古代小麦はグルテンの含有量が少なく、栄養価も高いので、欧米では再び栽培が盛んになってきているとの事。
そして何と言ってもスペルト小麦、とっても美味しいです。甘味があって、噛みごたえがあって、こういう素朴な感じの小麦、、好きですね。ご飯と一緒に炊いて、麦とろにしてみましたが、本当に美味しくて、、とまりませ〜〜ん。今後、リゾットや、スペルト小麦粉でのパン作り、そしてパスタ、、とめいっぱい楽しむつもりでいます。
ルンルン♪
さて、そんな小麦、中医学では『小麦(しょうばく)』と言って清熱瀉火類に属します。
心(しん)に帰経し、心のざわつきや不安、更年期障害、イライラに良いと言われている小麦。
それではご紹介致しましょう、本日の特別ゲスト「小麦(ショウバク)」さんです。どうぞ!
パチパチ
パチパチ
ぺ「ようこそお越し下さいました、ショウバクさん、どうぞお座り下さい。」
小「は、どうも、お招きに預かり光栄です。」
ぺ「今日は、色々お話を伺いたいと思うのですが、、まずは簡単な自己紹介からお願いできますでしょうか?」
小「はい、そうですね、。まぁお陰様で今や「小麦」を知らぬ人はいないというぐらい有名になってしまった私達ですが、私どもの祖先は西アジアに生まれまして、。」
ぺ「西アジア、、ですか。」
小「はい、それから、中国、そして韓国、」
ぺ「中国、韓国、。」
小「はい、その後に日本へやって参りました。丁度、4〜5世紀ごろのことでしょうか、。」
ぺ「4、5世紀、、その頃の日本は弥生時代とか古墳時代にあたるんでしょうか、、。随分日本での生活も長くなりましたね、。」
小「ええ、お陰様で、」
ぺ「実はこの度、、私、古代小麦のスペルトショウバクさんを使って、なつめや甘草と一緒に薬膳粥を作らせて頂いたのですが、。」
小「はい、もちろん承知しております。ぺんたんさん、私どもが『甘麦大棗湯』という方剤に使われている事をご存知の様で、。」
ぺ「ええ、そうなんです。その『甘麦大棗湯』を元に、今回『小麦・なつめ・甘草のお粥』を作らせて頂きました。」
小「『甘麦大棗湯』におきましては『君薬』という重大な役割を担っており、私どもは皆様の心の安定に、と常に働いております。ですから方剤だけでなく、身近な薬膳粥として、こうして皮ごと使って頂ける事は本当に嬉しい限りです。」
ぺ「ありがとうございます。」
ぷかぷか
ぷかぷか
ぺ「??ところでショウバクさん、さっきから気になっているのですが、、そちらの方は?」
小「あ、はい、本日、どうしても皆さまにご紹介したいと思い一緒に連れて参りましたが、まだ未熟者で、、ぷかぷかと浮いてしまうんです。」
ぺ「ハァ、、水にぷかぷか、、。」
小「これ、フショウバク、挨拶をしなさい。」
浮「はじめまして、フショウバクと言います。」
ぺ「あ、、は、はじめまして。」
浮「まだ未熟者ですが、、昼間にやたらと汗をかく人や、夜中に寝汗がひどい人なんかのお役に立てると思います。」
ぺ「へぇ、、そうなんですか、。」
小「フショウバクは私たちショウバクとはちょっと分類が違いましてね、『収渋類』に属しているのです。」
ぺ「え、あの、色々なものをキュッと引き締める『収渋類』、レモンや蓮の実やザクロ と同じ、。」
小「はい、そうです。まあどの道、私どもと一緒に使われるのでしょうが、お見知りおきを、、と思い連れてまいりました。」
ぺ「ありがとうございます、。全く存じ上げず、大変失礼致しました。」
小「いえいえ、どうぞ、今後とも私ども、小麦、浮小麦を宜しくお願い致します。」
ぺ「はい、本日はお越しいただきありがとうございました。」
ペコリ
小麦(しょうばく) 清熱瀉火類
[性味/帰経 ] 涼、甘/ 心、脾、腎
[働き]⑴清熱除煩・養心安神 躁鬱、精神不安
⑵補益脾胃 消渇、食欲不振、下痢
浮小麦(ふしょうばく) 収渋類
*水に入れた時に浮いてくる未成熟なもの。
[性味/帰経 ] 涼、甘/ 心
[働き]益気、除熱、自汗、盗汗、ほてり、のぼせ
【 方剤 滋養安神剤 】
【 甘麦大棗湯】(かんばくたいそうとう)
君薬:小麦 甘、微寒、心経
臣薬:甘草 甘、平、心・脾・肺・胃経
大棗 甘、温、脾・胃経
効用:養心安神・和中緩急
症状:精神恍惚感・悲哀感・よく泣く・感情をコントロール出来ない・焦燥・睡眠不安・あくび・言行に異常
舌質紅・舌苔少
*心陰不足・肝気失和の更年期障害、ヒステリー、精神恍惚・悲喜失調により泣きたい、などの治療に適してる
*『古代小麦パン』
*『小麦・なつめ・甘草のお粥』
*『方剤のお話2』
*『収渋類と六味のお話』
歴史
小麦も昔はグルテンが少なかったんだぁ、、、いつの間に増えていったんだろう?
やっぱり、モチモチ感や美味しさを追究して品種改良が繰り返されたからかなぁ?
気がつけば、小麦アレルギーを持つ人も増えて、、。
などと思いながら、薬膳の歴史についても振り返ってみる。
そうそう、歴史嫌いの私が、薬膳の勉強を始めた時に、またもや膨大な中医学の歴史にぶち当たり、「あーーもうヤダーー。知らない人ばっかり、、。」と嘆いていた時に差し込んだ一筋の光、、。
それが『夏禹(かう)』(紀元前2100〜1700)の時代の
「儀狄(ぎてき)」さん。
夏禹(かう)の時代、儀狄が酒を作り禹王に献呈した
うふふ、これだけは瞬時に覚える事が出来ましたね。
そしてもう1人、もう一つ
明の時代に『本草綱目』という書物を完成させた「李時珍(りじちん)」さん。
この本にはなんと薬酒が75種類載っているそうなんです。なんとかこの75種類の薬酒を勉強したいと思っているぺんたんなんですよ(笑)
あ、でもこの書物にはもちろんそれだけではありません、「薬1892種類」「方剤11916種類」「薬酒75種類」「薬粥42種類」が載っているという、それはもう凄い書物なんです。
私が歴史嫌いになったのは、年号や人物名、事象ばかりを丸暗記する学生時代の勉強法が良くなかったんでしょうね。本当はそこに物凄くたくさんの努力や、忍耐や、挑戦が詰まっているわけで、、。いつだったかオランダからの留学生が言ってましたね。「僕たちの歴史の先生は、とっても面白くいろんな話をしてくれるんだ。ナポレオンの話をする時、彼はナポレオンになりきってその時代の事を話す、いや演じてくれるんだ。だから、歴史ほど面白いものはないね。」
history はhis story、と誰かが言っていたけれど、確かにstory 、物語として、本で読む中国史はとても思白い。「蒼穹の昴」は壮大なスケールで楽しめるし、「ワイルドスワン」は正にher story 。
とは言っても試験となると、そうはいきません。
そういえば、4月に行われるはずだった薬膳師の試験が来月8月に行われる様です。
国際薬膳師の試験は、過去問とかが一切なくて、何をどう勉強したら良いものか、ホント不安なものです。
何でも、試験後、日本で採点されて合否は決まるのですが、その後、問題・回答ともに中国へ全部送ってしまうそうで、それで、過去問がないそうです。
マークシート方式ではなく、すべて記述式、弁証論治・薬膳施膳はレポート形式。穴埋め問題は選択肢があるものもあれば、ないものもある。だから、漢字の練習は必須です!
今年は夏場の受験となり、皆さん、コロナ対策は勿論、エアコン対策も必要になってきますね。上京して受験する人にとっては、2泊3日のスケジュール、丸2日間、8教科の試験、悔いのないよう取り組んでください。
で、歴史の問題、何が出題されるんでしょうね?
私の時は何が出題されたのか、、はっきり言って、全く覚えておりません、、そんなに沢山出ないしね、。
やっぱり、お決まりの
- 漢の時代 『傷寒雑病論』「医聖」と言われる「張仲景」
- 唐の時代 「薬王」と言われる「孫思邈(そんしばく)」 (孫正義ではありませんよ)
- 同じく、唐の時代 「茶聖」と言われる「陸羽」
なんかでしょうか、。
「お酒を作った夏の時代の人は誰でしょう?」とか
「本草綱目は、李時珍が書いたものですが、この本には何種類の薬酒が載っているでしょう?」なんて問題は、出ないんだろうなぁ〜。
もし、万が一、こんなイキな問題が出題されましたら、受験生の皆さん、是非、ぺんたんにご一報ください‼︎
加油❗️
自然界便り
月桃の花が咲きました❣️
種を撒いて育てて、どんどん株が増えて
でも、花は咲かず
ところが、今年、遂に!
6年目の奇跡‼️
ただただ感激・・・
そして 美しい・・・
薬草園便り
「公園で薬草園」に3種類のローゼルが植えてあります。
ローゼルは食用ハイビスカスと言われ、葵科の植物、同じ葵科のオクラと似たような花が咲き、花が終わった後に出来るガクの部分を頂きます。
CO2の吸収に優れ、二酸化炭素削減に良いと言われる、地球環境に優しい植物です。
さてこの3種類、種の入手先が違ったので、花も違うのかなぁ、、と分けて植えてみたのです。
向かって左から
SAで買ったローゼルは、もう枯れ枯れで汚くて、誰がこんなもの買うんだ?という状態のものを買いました(笑)。枝に付いているガクが薄いピンクで提灯の様にぷっくりと膨らんで、我が家のそれとは全く違っていたので、気になって買い、種をとっておいたものです(ガクは食べれる様な状態ではなかった)。葉っぱの形は我が家の右端のローゼルとほぼ同じですよね。
真ん中の内藤記念館の薬草園で採ってきたローゼルは、ガクが大きくて細長くイチゴの様な形をしていました。他の2種と比べて葉っぱの形がこれだけ違うように見えます。
このガクもローゼル酒にしてみましたが、これはとろみが少ないです。
我が家のローゼルは、小粒で丸くルビー色のガクが出来ます。とろみがたっぷりで、ローゼル酒も美味しく出来あがりました。
その3種のローゼルですが、SAで買ってきたものが1番早く芽を出し、どんどん伸びてなんと6月の終わり頃から花も咲き始めました。しかもクリームがかった色で本当にオクラの花みたいです。例年、ローゼルの咲き始めは9月ごろなので、、もうビックリ!です。現在身長140〜150cm
真ん中のローゼルはあまり伸びておらず、花芽もまだついていません。内藤記念館の薬草園ではかなりの背丈に伸びてたんですけど、、。現在身長80〜90cm
我が家のローゼルは、それなりに伸びて花芽はつき始めてます。昨年咲いた花は薄いピンク色だった様な、、。現在身長120cm程度
さて、どうなるのかな?
編集後記
日傘の出番がやってこない
という事は水撒きの必要もない日々で、
先月末に予想された「汗だくの日々」は何処へやら
今月、殆どの日々が水撒きから解放され、朝、少しだけ時間にゆとりができ
そうすると、心にもゆとりができ
ラジオにも耳を傾ける余裕ができた
今月もお越し下さった皆様、新しく読者になって下さった皆様、スター・ブクマ・コメントを下さった皆様、本当にありがとうございました。
それでも、流石に梅雨明けかなぁ
8月、今度こそ「汗だくの日々」?
でも大丈夫、フショウバクさんがいる!