みかんの皮、捨ててはダメよ
仙「おぉ、今日は見事な秋晴れじゃ。ぺんた〜〜ん」
バタバタバタ
ぺ「は〜い。」
仙「皆を呼べ、天気が良いので陳皮を作るとしよう。」
ぺ「はい。」
仙人の薬膳講座
仙「皆、よく集まってくれたな。この前の乾姜はどうじゃ?乾姜を使った薬膳を作っておるかのう?使い方に気をつけて、色々作ってみると良いな。さて、今日は陳皮を作るのでな、。」
ぺ「はい、ではまずミカンの皮をむきます。」
仙「無農薬みかんがあればなお良いが、普通のミカンでも構わん。青切りミカンでも良いぞ。」
ぺ「皮の裏側の白い部分を包丁で取り除きます。」
仙「ふむ、白い部分はそのままでも構わんが、取り除いた方が効果が高まるんじゃ。」
ぺ「こんな感じです。右側が取り除いたもの、左側がそのままのもの。」
ぺ「これを綺麗に洗います。」
仙「そうじゃな。」
ぺ「適当な太さに切ります。」
仙「干すと小さくなるのでな、あまり細かく切らんで良いぞ。」
ぺ「では、ザル等に並べて、天日に干します。」
仙「ふむ、生姜よりは早く乾くぞ。」
ぺ「はい、干し上がったものがこちら、陳皮 です。」
仙「よしよし、綺麗に乾いたのう。これを瓶に入れて保管し、使うのじゃ。」
橘皮(きっぴ)陳皮、橘紅(きっこう) 理気類
[性味/帰経 ] 温、辛、苦/脾、肺
⑵燥湿化痰 胸苦しい、咳、多痰、喘息
青皮(せいひ) 理気類
[性味/帰経 ] 温、辛、苦/肝、胆、脾、肺
[働き]⑴疏肝破気 胸腹部が脹満、鬱、イライラ
⑵消積化滞 食積腹脹、腹痛、げっぷ、食欲不振、大便不調
⑶散結止痛 乳房脹痛、塊り、生理痛
*「青皮」はこちら
仙人問答
仙「一般的には陳皮と呼んでおるが、正確にはちょっとずつ名前が違うのじゃ、」
ぺ「え、では橘皮は?」
仙「橘皮は陳皮と同じじゃ。内側の白い部分を取り除かず、そのまま干したものを陳皮というんじゃ。」
ぺ「では、白い部分を取り除いたものは?」
仙「橘紅と言う。陳皮よりも働きが強くなるのじゃ。」
ぺ「じゃ、今日、作ったのは橘紅ですね。」
仙「ふむ、そうじゃのう。未完熟の青みかんの皮を干したものは青皮というんじゃ。これは効能が強くなり、気を消耗するので、気虚で汗が多い場合は控えねばならんぞ。」
ぺ「なるほど、、青色だから肝胆に帰経するので、効能も違ってくるのですね。」
仙「陳皮は3年ものが良いと言われておるのでな、多めに作って保存しておくと良いぞ。」
ぺ「はい、何処でだったか忘れましたが、真っ黒になってる陳皮を見た事があります。あれが3年ものだったのかしら?それとももっと古いものかしら?そういえば陳皮は確か、香辛料の五香粉にも使われているんですよね。」
仙「そうじゃな、五香粉は大茴香、小茴香、肉桂、丁香、陳皮で出来ておる。そのうち大茴香、小茴香、肉桂、丁香は全て温裏類、陳皮だけが理気類じゃ。臓腑を温め、気の巡りを良くする陳皮は重要な役どころという訳じゃ。」
ぺ「気の巡りを良くする陳皮、そういえば、方剤(漢方薬)の二陳湯にも使われていますよね。」
仙「二陳湯とは二つの古いもの、陳皮と半夏(はんげ)じゃ。痰を取り除く方剤じゃ。」
ぺ「半夏、、半夏の種だと思って蒔いたら、黒ごまだった、、あの半夏だぁ、、」