枇杷の優しい甘み〜
香り〜〜
ぷぉ〜ん
ふぉ〜〜ん
ぺ「うわぁ、、甘い香り、枇杷仁の匂いだ〜。」
仙「お、ぺんたんよ、何やら良い匂いがするな。」
くんくん
くんくん
ぺ「はい、仙人、今年採れた枇杷を発酵させておいたのですが、遂に完成致しました。」
仙「ほぉ、あの枇杷の実を、。」
ぺ「はい、仙人と一緒に収穫したあの枇杷の実で作った『びわ酢』です!」
仙「今年は枇杷の実がたわわに実り豊作だったからのう。」
ぺ「ほんと、瑞々しく甘く、美味しかったびわ 、、。でもビワって一斉に熟し1度に収穫してしまうので、。」
仙「そうじゃ、びわ酒も漬けたしな。」
ぺ「はい、びわ酒も漬け、びわシロップ、びわジャムも作り、、。」
ぺ「はい、見た目の良いビワたちは、あちらこちらの方々にもらって頂いたのです。そして残ったB級枇杷の実を発酵させておきました。」
仙「その枇杷が完成したのじゃな。」
ぺ「はい、枇杷の実だけを発酵させて作った『びわ酢』と、びわの実を黒酢に漬けて糖類は入れず発酵させた『びわ黒酢』、2種類作ってみました。」
仙「ほぉ、それは楽しみじゃ。」
ぺ「まず、こちらが枇杷の実だけを発酵させたものです。」
仙「おぉ、日ごとに形が崩れていくのう。」
ぺ「はい、ドライイーストを少量入れてあります。」
仙「発酵か、、それで時折どこからともなく酸っぱい匂いがしていたのじゃな。」
ぺ「はい、2ヶ月おいたものがこちらです。」
仙「ふむ、茶色い。」
ぺ「アハ、空気に触れると変色するので、、。そして濾したものがこちら。」
仙「おぉ、これが枇杷酢、、あの甘い香りの正体か。」
くんくん
ぺ「はい、仙人、味見味見、、」
たらっ
ペロっ
仙「うん、酢じゃ、確かに酢ではあるが、あの『酢』特有のツンとした匂いも味もない。実にまろやか、優しいお酢じゃ。」
ぺ「へへ、そうなんですよ、砂糖や塩を加えなくても、この酢だけで和えものができちゃいます。」
仙「びわ の甘味が効いておるのじゃな。」
ぺ「ええ、甘い香りも。ポテトサラダに入れても美味しい!」
ぺ「そして仙人、もう一つ、黒酢に漬けたのはこちらです。」
仙「ほぉ、黒酢に染まったように、」
ぺ「はい、濾したものがこちらです。」
仙「ふむ、これも味見してみよう。」
ぺろっ
仙「お、こちらは全然酸っぱくない、さっきの枇杷酢よりもまろやかじゃ。」
ぺ「そうなんです、このまま水で薄めて黒酢ドリンクとして飲めちゃいます。」
ぺ「はい、クセがなくて美味しい。」
びわ酢(発酵)
材料
作り方
- 枇杷を洗い、お尻・黒ずみのところを切り落とす。
- 水気を切って、熱湯消毒した瓶に入れ、ドライイーストを入れる。
- 布巾、キッチンペーパー等を被せ、常温で2ヶ月置いて発酵させる。
- 初めの1週間、かき混ぜて枇杷の実がでないように液に押し込む。
- 3週間前後、上部に薄い幕が張ったら、かき混ぜないようにして静置発酵させる。(酸っぱい匂いがする)
- 2ヶ月経ったら、濾す。
材料
作り方
- 枇杷を洗い、お尻・黒ずみのところを切り落とし、半分に切る。
- 水気を切って瓶に入れ、びわが隠れるように黒酢を注ぐ。
- 布巾、キッチンペーパー等を被せ、常温で2ヶ月置いて発酵させる。
- 濾す。(残ったびわの実はジャムなどに)
*糖分が入っているびわ酢等はこちら
*今回使用した黒酢
枇杷 止咳平喘類
[性味/帰経 ] 涼、甘、酸/脾、肺、肝
[働き]⑴潤肺止咳 肺燥の咳、肺熱の咳、喀血、吐血、血便
⑵生津止渇 口渇
⑶下気止嘔 胃気上逆の嘔吐やしゃっくり、げっぷ、胃熱嘔吐
⑷平肝清熱 小児発熱驚風
酢 活血化瘀類(かっけつかおるい)
[性味/帰経 ] 温、酸、苦/肝、胃
[働き]⑴活血散瘀 瘀血性出
⑵消食化積 食欲不振、消化不良
⑶解毒殺虫 食中毒、寄生虫
仙人問答
仙「B級枇杷でA級品の『酢」が出来上がった、ウホホッ。」
ぺ「はい、2ヶ月待った甲斐がありました。」
仙「時間と手間をかけたものは裏切らぬのう。」
ぺ「ホントそうですね。実は仙人、私、柿で柿黒酢や柿酢を作ってたんです、それがとっても美味しくて。枇杷酢よりももっと甘いんですけどね。」
仙「そうか、。」
ぺ「はい、なので枇杷でもできないかな⁈と思い作ってみたんです。」
仙「大成功じゃ。」
ぺ「以前、『富士酢』を作っている飯尾醸造で工場見学させて頂いたんですけど、その会社がこの『静置発酵』という方法で酢を作っていて、とても美味しい酢で。それで自分でも静置発酵で柿酢を作ってみようと。」
仙「そうか、、。しかしぺんたんよ、わしはその『柿酢』を味わってはおらぬぞ。」
ぺ「アハハ、そうなんですよ、柿酢を作ってる時、私、仕事で大忙しで、この里へは全然顔出さず、柿酢の写真も撮ってなくて、、すみません。」
仙「ふむ、では柿の季節になったら、今度は薬膳リモート講座で皆と一緒に柿酢、柿黒酢を作るとしよう。」
ぺ「はい!仙人、。」
仙「お酢は体を温め、血の巡りをよくしてくれる、毎日少しずつ取り入れるのじゃ。」
ぺ「はい、体温上げて免疫力アップ⤴️ お風呂上がりに爽やかサワービネガードリンク!」
仙「お酢を押ッ酢ーーー ♪」
その他の薬膳酢はこちら
*紫芋酢
*ぶどう酢・ブルーベリー酢
*枸杞子酢
*赤紫蘇酢
*梅酢
*いちご酢
*『静置発酵』について
以下、飯尾醸造のホームページより引用させて頂きます
「静置発酵」とよばれる昔ながらの製法でお酢を造ります。これはタンクの表面の酢酸菌が、80日〜120日と、ゆっくり時間をかけて自然にアルコール分を酢にかえていく発酵法です。時間と手間、職人の勘が必要ですが、醸造している間に酢酸と水が調和し、まろやかで旨味の多いお酢を造ることができます。
残念ながら多くの酢のメーカーでは、効率を優先させるために機械で人工的に空気を送り込み、1日で発酵を終えてしまいます。この速醸法は「全面発酵」と呼ばれています。
※酢酸菌は好気性の菌で、空気に触れる面で発酵します。「静置発酵」では液面でしか発酵が進まないのに対し、 液体内に空気を送り込む「全面発酵」では全体で発酵が進むため、速くお酢ができます。
発酵が終わった酢は、熟成蔵に移され、ゆっくりと時間をかけて熟成されます。熟成期間は最低でも240日〜300日ですが、 その間もただ寝かせておくだけではなく、何度もタンクからタンクへの移し替えを行います。 5回以上の移し替えで空気に触れさせてやることによって、出来上がりの酢は、よりまろやかな風味に仕上がるのです。