「がんに克つ5つの生活習慣」を考える
パラパラ
ペラペラ
ぺ「ふむふむ、、」
ジーッ
ぺ「そうだよね、。」
ヒュヒューン
パッ
ピタリ
仙「ウホッ、本日もハイレベルな着地。」
ぺ「あ、仙人、お帰りなさい。」
仙「ふむ、ぺんたんよ、外出を控えて読書タイムかな?」
ぺ「はい、これです。」
ぽん
仙「ほぉ、、『がんが消えていく生き方』」
ぺ「消化器の外科医であった著者が自身も腎細胞癌に罹り、そこから手術、治療を経て13年経った昨年10月に出版された本なんです。」
仙「なるほど、ご自身の体験を元に書かれておるのかな?」
ぺ「そうです、肉体的痛みと精神的痛み、。『死線を見た』と様々な思いを書かれています。」
仙「13年経ったからこそ書ける事があるのじゃな。」
ぺ「ええ、素人にもわかりやすく、分析しながらも優しい言葉で書かれていますね。」
仙「では、その話を聞くとしよう。」
ぺ「はい、この本は著者が自らの経験と反省から辿り着いた『がんが再発しないための五か条』について書かれています。」
仙「ほぉ、五か条。」
ぺ「はい、こちらです。」
さっ
がんに克つ五か条
- がんに克つ寝技 ねわざ"睡眠"
- がんに克つ食技 たべわざ"食事"
- がんに克つ動技 うごきわざ"運動"
- がんに克つ温技 あたためわざ"加温"
- がんに克つ笑技 わらいわざ"笑い"
仙「ウホホ、これはまたシンプルでわかりやすい。」
ぺ「そうなんです、中医学を学んでいる人にとったら、『いまさら、、』と思うような事ばかりなんですが、。」
仙「真理はひとつ、じゃ。」
ぺ「著者がまず声を大にして書いてみえる事は『がんは結果』ということです。」
仙「結果、、」
ぺ「はい、『がんはそれまでの生き方とその習慣化の結果。だから結果だけをメスや放射線、抗がん剤で対処しても、過程をそのままにしていたら、もう1度出てくるのが当たり前』、、と。」
仙「ウホッ、、過程を変えていくことが重要ということじゃのう。」
ぺ「そうです、『がんに罹ったという事は、がんにとって居心地の良い環境を作ってしまっていたわけだから、再発をしないよう考えるなら、がんにとって居心地の悪い環境を作る事。つまり、がんに罹った時と同じ生活スタイルをしていたのではまた次のがんを生んでしまうので、生活習慣を見直す』ということ、。です」
仙「陰陽五行、陰陽のバランスを取り、五臓六腑のバランスを取る。さすれば、恐れるものは無い。人間の持つ力は偉大じゃぞ。」
ぺ「そうです仙人、著者もそう書いてます。『自然治癒力、本来身体は治るようになっている』、、と。
『健康な人の身体の中でも、毎日5000個ほどのがん細胞が作られている、つまり誰もががんになっている。けれどそうして自然発生するがん細胞を、免疫細胞(リンパ球)が退治している。』と。」
仙「自然治癒力、ウホホッ、わしの全てじゃな。」
ぺ「はい、自然治癒力を邪魔する生き方、そしてその生き方を継続していくと、、がん細胞は増えて塊となり、やがて画像診断に登場する事になるのです。」
仙「それで自然治癒力を高めるためのこの五カ条という訳か。」
ぺ「はい、まず初めに『寝技』です。」
仙「寝技とは、、。」
ぺ「これは正に仙人がいつも仰っている『夜11時過ぎたら寝るべし!』です。」
仙「もう何度も言って来たことじゃ。夜、全ての血は肝に帰る。そこで古い血は淘汰され新しい血が生まれる。しかしこの時間に寝ておらぬと、血は帰るところを失い、新しい血も生まれて来ぬ。」
ぺ「はい、本当に何度も聞きました。この本の中ではこんな風に書かれています。
『免疫細胞(リンパ球)が働くのは副交感神経優位の夜です。睡眠で身体を休ませてあげている間に、リンパ球が頑張ってくれます。良好な睡眠ほどがん細胞除去に有用なことはありません。』と。」
仙「ふむ、中国にこんな諺があるぞ、“子の刻の睡眠を放棄するくらいなら一度の食事を放棄した方がずっと良い”」
ぺ「はい、寝ます!」
ぺ「で、続いて『食技』。これはもう言うまでもありませんが、しっかりと書かせて頂きましょう!」
仙「そうじゃ、そうじゃ。」
ぺ「こんな風に書かれています。
『身体は細胞で出来ています。その細胞は全て食事で出来ています。
身体=食事、細胞=食事、リンパ球=食事です。
良いリンパ球を造る食事をする必要がありますが、現代人はそれが出来ず“がんが好む食事”をしがちです。』」
仙「がん好みの食事、か。」
ぺ「はい、がんの好きな食材、それは・・・」
仙「それは、、」
ぺ「スィーツ!です。」
仙「がんは糖質がお好き♡」
ぺ「はい、糖質その1、お菓子です。まさにスィーツ、、。スィーツには依存性もあるのでこれも良くない事の一つ。お料理に使う砂糖も白砂糖を避け、黒糖、蜂蜜、オリゴ糖、メープルシロップがおすすめだそうです。」
仙「ふむ、薬膳では黒糖、蜂蜜、羅漢果などじゃが、薬膳は薄味が基本、食薬の持つ六味を使って料理する。」
ぺ「はい。そして糖質その2 でんぷん、お米や芋類です。白米や白い小麦粉は避け、玄米、全粒粉小麦、雑穀米がオススメで、イモ類、芋類は繊維が多く吸収遅延があり急な高血糖になりにくいので大丈夫だそうです。あ、あと精製した砂糖を使用したドリンク類、これは要注意!」
仙「『スペルト小麦の粥』は美味かったな、ウホホッ」
ぺ「そして、がんの嫌いな食材。
1番苦手な食材 緑黄色野菜、根菜、海藻類、きのこ類、豆類、発酵食品 だそうです。」
仙「今は菜の花の美味しい季節じゃな。『黒豆と菜の花ご飯』も美味いし、『ひじき和え』あれも美味かった。」
ぺ「そして食品研究家で医学博士の吉村裕之さんが提唱されている、癌予防に良い『まごわやさしい』、これに著者は『ヨ』を加えています。」
- ま: 豆=大豆、あずきなどの豆類
- ご: ゴマ=ゴマ、ナッツ、クルミ、アーモンド
- わ:わかめ=わかめ、昆布、海苔等の海藻類
- や:野菜=野菜、根菜
- さ:魚=魚(特に小型の青魚)
- し:椎茸=椎茸、しめじ等のキノコ類
- い:イモ=里芋、じゃがいも、さつまいも等の芋類
- ヨ:ヨーグルト
ぺ「はい、それからこんな表も載ってました。」
ぽん
がん予防の可能性のある食品
仙「ふむ。デザイナーフーズ・ピラミッド△」
ぺ「上から下へ↓ 重要性の高いものから順に書かれています。」
仙「トップに輝いたのは、にんにくか。生姜のランキング入りは当然じゃ、お、ウコンも入っておるな。、」
ぺ「『セロリスムージー』も効能抜群ですよね♪」
仙「『春キャベツのウコンドレッシング』あれもオススメじゃな。」
ぺ「調理法に関しても《煮る、蒸す、茹でる》がオススメとあります。」
仙「薬膳でも《煮る、蒸す、炒める》を推奨しておるぞ。」
ぺ「焼いたり、揚げたりする事で、食材が酸化する事を避けたいのでしょうね。」
仙「ふむ、焦げたものや、古くなって油の回ったナッツ類などは厳禁じゃ。」
ぺ「著者もこの『食技』は五カ条の中でも1番重要だと書いて見えますが、ここで大切なことは、がんに罹るまでの生活習慣です。」
仙「過程じゃな。」
ぺ「はい、例えば、本の中に例として書いてみるのですが、『肉食中心で野菜が少なく、タバコは1日に40本、お酒は日本酒を週に2升ほど。』と言うがん患者さんが、初診後、タバコ、お酒を断ち、野菜中心の食事に変え、五カ条を実践しみるみる回復していった、。と」
仙「何ががんを喜ばせていたのかをきちんと見極める事じゃ。酒を飲み過ぎているものは酒を断ち、スィーツを習慣化してしまったものはスィーツを断つ。」
ぺ「そうなんですよね、著者も、普段からスィーツをあまり食べていない人が、スィーツを断ってもそれは意味がないと、。」
仙「普段お酒を殆ど飲まず、乾杯程度の飲酒量だった人が酒を断ってもそれも意味がない。冷静に分析し、柔軟に対応する。」
ぺ「そういえば仙人、お酒とスィーツの話で思い出したんですけど、、10年以上前に一緒に仕事をした方なんですけどね、お酒もスィーツも大好きだと仰っていて、、体調が悪くなって病院に行かれたそうなんですけど、ドクターに『やっぱりお酒やめたほうがいいですかね?』と聞いたら、『まず、スィーツをやめて下さい。』と言われた、、なんて言って見えました。」
仙「酒やタバコが体に良くないのは周知、しかし、スィーツとなるとそこまでは、、と思うのじゃろう。スィーツを甘く見てはならぬぞ。」
ぺ「はい、私も薬膳の勉強を始めるよりずっと前のことでしたから、その方の話、ちょっと驚いたんです。でも、何年か後に『がんになってしまった』と風の噂に聞きました。」
仙「そうか、。」
ぺ「あ、最後に一つ、『アルコールは少量であればリンパ球を活性化させる』そうで、心疾患に効果があるようです。」
仙「ウホッ『百薬の長』」
(*青字はリンクが貼ってあります、これらの食材を使った薬膳のご紹介です)
ぺ「食技が長くなってなってしまったので、さっさと進めます。
続いて『動技』、これについては、『がんは酸素が嫌い。がんを取り締まるリンパ球は酸素で動く。有酸素運動で体内に酸素が多い環境はリンパ球が元気になるので、がんが嫌がる』」
仙「程よいお散歩が大事じゃの、。」
ぺ「続いて『温技』」
仙「『血は暖かい環境がお好きじゃ』。常に体を冷やさぬよう、薬膳料理は常温以上じゃ。」
ぺ「はい、『がんは熱いのが苦手、低体温がお好み。リンパ球は体温が1℃上がると、活性が40%上がる。』そうです。」
仙「ウホホッ、温泉、温泉、、土鍋温泉に行こう!」
ぺ「ラスト、『笑技』」
仙「笑う門には福来る、じゃな。七情は五臓に通じておるからな。」
ぺ「はい、『笑い』はかなりの優れもので、、がんを退治するナチュラルキラー細胞というリンパ球が活性化することが実証されたそうです。しかも癌だけでなく、膠原病やアトピー、リウマチにもよく、血糖を下げ、認知症を改善し、炎症を抑制し、、あーーーーーッ!」
仙「何じゃ?」
ぺ「そういえば、仙人はいっつも笑ってる、、ウホホッとかウハハハハーーッとか。」
仙「ウホッ、照れるのう、、。」
ぺ「納得、それでいつもくだらないギャグを、アハハハ、、。」
仙「『笑』も良いが、ラベンダーなどの『香り』も良いぞ。リラックスモードが幸せを呼ぶ。」
ぺ「はい、私、ラベンダーのポプリをマスクの袋に入れてるんですよ、取り出した時にマスクからラベンダーがほのかに香ってハッピ〜〜♪」
仙「よし、これで五か条、全てクリアじゃ。」
ぺ「あ、もう一つだけ、『漢方』についての記載もあって、。」
仙「それは興味深い。」
ぺ「『1本の川があります。真ん中に川の流れを邪魔するような岩があります。この岩を癌とするなら、
西洋医学では、この岩を取り除こう、ハンマーやドリルを使って粉々に砕くわけです。
東洋医学では、川の流れ自体を強くしよう、水量を増やせば岩は削られて小さくなり、ついには流れていくわけです。』」
仙「ふむ、わかりやすい例えじゃ。」
ぺ「漢方薬だけでなく、鍼灸も大変有効であり、西洋医学も東洋医学もそれぞれのいいとこ取りをすれば良い。と著者は書いていますね。」
仙「ごもっとも。」
ぺ「著者の方も、未だに漢方薬は飲み続けていると書かれていました。」
仙「ぺんたんよ、方剤の勉強を怠るなよ。」
ぺ「はい。さて、食技を中心にお話してきましたが、これ以外にも《程よい運動の方法、オススメの入浴法、がんにかかりやすい人・再発しやすい人の特徴、医師の選び方、医師との関わり方、プラシーボ効果》、等、書いて見えます。興味のある方はぜひ、読んでみてください。」
仙「良し、では最後にランキング1位に輝いたニンニク酒でも紹介しておこうかの。」
ぺ「はい、別名『ニンニクエキス』とでも。」(笑)
ぽん
にんにく酒 (にんにくエキス)
材料
- にんにく150g(2個) (リカーの30%ぐらい)
- ホワイトリカー 500
- レモン1個
作り方
- にんにくは皮をむき、計量する。
- 1を半分に切り、スライスレモン(皮を剥く)と一緒に漬け込む。
- 冷暗所で2ヵ月おく。
大蒜(ニンニク) 外用類・その他
[性味/帰経 ] 温、辛、甘/脾、胃、肺、大腸
[働き]⑴健胃止痢 食欲不振、消化不良、下痢
⑵殺虫 寄生虫、条虫、回虫
⑶辛温散寒 冬の風邪
⑷解毒消腫(外用) 瘡瘍腫毒の初期、皮膚炎
⑸排膿止痒(外用) 痒み、化膿症
*注意: 蜂蜜と一緒に用いない
ぺ「ニンニク酒は、スープや蒸し料理に入れてお使いください(アルコール分は飛びます)。もちろん、にんにくも刻んで使えます。」
仙「アヒージョに入れて良し、あさりの酒蒸しに入れて良し、魚の蒸し物・煮物に入れて良し、野菜スープに入れて良し、カレー・シチューに入れて良し、じゃ。」
ぺ「ニンニクを買い忘れても、いつでも手軽に使えて便利です。」
仙「では、わしは山のパトロールに行ってくるかな、このところ山火事が多くてな、、。」
ぺ「あ、仙人、この話のオチを、、。」
仙「オチ?」
実は著者の奥様は漢方医さんでな
奥様からいつも「ちゃんと寝なきゃダメ!そんなものばっかり食べてちゃダメ!」と散々言われていたんじゃそうな
しかし、著者は奥様の言うことにはまるで耳を貸さず、結果、がんを生んでしまった
手術後は奥様の作る「薬膳三昧」だったそうな
*「子午流中」のお話 (1日の生活のリズム)
*「脾と気のお話」(睡眠の重要性)
*「六味のお話」はこちら
*「薬膳・中医学でのがんに良い食薬」はこちら
*「薬膳 調理法」蒸す
*「七情のお話」(五臓と感情の関係)